商品について
サン・テミリオンの革新的な造り手として名高いテュヌヴァン氏が生んだ伝説的なシンデレラワイン、シャトー・ヴァランドローのセカンドラベルです。持続可能な農法で生み出す最高品質のブドウの豊かな果実味とバランスの取れた酸味、シルクのように柔らかなタンニンと複雑で豊かなミネラル感が余韻に長く続くフルボディの逸品。テロワールと高度な技術の融合が生み出す最高品質の赤ワインです。
タイプ |
赤ワイン |
飲み口 |
辛口 |
ブドウ品種 |
メルロー 85%、カベルネ・フラン 10%、カベルネ・ソーヴィニヨン 5%(2019)
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原産国・地域 |
フランス/ボルドー/サン・テミリオン
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生産者 |
シャトー・ヴァランドロー(Château de Valandraud) |
格付け |
サン・テミリオン・グラン・クリュ |
テイスティングノート
色調は、深みのある紫がかった黒色です。
香りは、ブラックベリーやブラックチェリー、プラム、そしてブラックベリーに似たボイセンベリーといった黒系果実の濃厚なアロマに加え、樽から来るモカやシダー、クローブ、ドライハーブのニュアンスも感じられ、非常に複雑です。
口に含むと、黒系果実のフレッシュで豊かな果実味としっかりとした酸味がバランスよく見事に調和しています。豊かなミネラル感と複雑な風味も加わり、リッチで凝縮感のある味わいが広がります。きめ細かいタンニンのシルキーな口当たりが心地よく、バニラやトーストの風味が余韻に長く続きます。力強さと豊潤さをあわせ持つ、まさにフルボディの味わいを堪能できるワインです。
【生産者】シャトー・ヴァランドロー(Château de Valandraud)
シャトー・ヴァランドローは、1989年にジャン・リュック・テュヌヴァン氏が妻ミュリエルとともに設立した、サン・テミリオンの伝説的ワイナリーです。ワイナリー名は夫婦が最初に購入した小さな土地の名前に由来しています。サン・テミリオンの無名の畑から彗星のごとく現れ、初ヴィンテージの1991年がいきなり高評価を獲得したことから「シンデレラワイン」と呼ばれ、その名が知られるようになりました。
テュヌヴァン氏は、それまでのワインショップ経営の経験を活かし、市場のニーズに応えるワイン造りを目指しています。彼の哲学は、テロワールだけでなく人の手を加えることで最高のワインを生み出すことにあり、革新的な技術と方法を常に追求しています。例えば、2000年には雨水対策としてビニールシートを使用する実験を行い、その独自性が注目を集めました。
シャトー・ヴァランドローは、2012年にサン・テミリオンの第一特別級Bに昇格し、その品質の高さが公式に認められています。
セカンドラベルのヴィルジニー・ド・ヴァランドローは、テュヌヴァン夫妻の娘の名前にちなんで名付けられ、シャトー・ヴァランドローとは別区画のブドウを使用しています。シャトー・ヴァランドローは濃密で優雅な風格を持つ高級ワインとして知られる一方、セカンドラベルのヴィルジニー・ド・ヴァランドローは、親しみやすい味わいとエレガンスを兼ね備え、上級キュベの片鱗を覗かせる独立した作品として高く評価されています。
シャトー・ヴァランドローのワインはこれまでに数々の賞を受賞しており、ロバート・パーカーやジェームス・サックリングといった世界的な評論家や、影響力の大きいワイン雑誌からも、その卓越した品質が認められています。
人の手で極めるテロワール、シャトー・ヴァランドローが生む滑らかな至高のワイン
シャトー・ヴァランドローのワイン造りは、テュヌヴァン氏独自の哲学に基づいています。テロワールだけに頼らず、人の手を加えることで最高のワインを生み出すという考えのもと、市場のニーズに応える高品質なワインを追求しています。
栽培においては、環境に配慮した持続可能な農法を実践しています。具体的には、有機肥料を使用し、化学薬品の使用を最小限にして、病虫害の管理には自然の生態系を尊重した方法を採用しています。この農法で土壌の健康を維持することで、ブドウが健全に育ち、風味が豊かで品質の高い果実を生産しています。
収穫は手摘みで行われ、丁寧に選別を行って最高品質のブドウのみを使用します。これにより、味わいに深みと複雑さのあるワインを造ることが可能になります。
選別が終わるとブドウを破砕して醸しの工程へと進みます。この工程では、果皮を果汁に漬けた状態でアルコール発酵を行うことで、果皮から色素が抽出され、深い色合いがワインにもたらされます。また、果皮や種子の風味成分がワインに複雑さと構造をもたらします。
発酵にはステンレスタンクと木製樽の両方を使い、厳密な温度管理で発酵プロセスを最適化します。ステンレスタンクの使用で果汁のフレッシュでクリアな味わいを保ちつつ、温度管理された発酵によりフルーティなアロマと豊かな風味が引き出されます。
熟成は、新樽比率100%のフレンチオーク樽で18~20ヵ月にわたって行われ、この過程でワインにさらなる深みと複雑さが加わります。新樽からバニラやトーストの風味がワインに溶け込み、長期熟成によるタンニンの重合(分子の結合)や、ワインの緩やかな酸化でタンニンが柔らかくなり、シルクのような滑らかな口当たりを持つワインが完成します。
【生産地】フランス/ボルドー
ボルドー地方はフランス南西部で大西洋に面し、ガロンヌ川とドルドーニュ川が合流する地点を中心に広がる地域です。世界的に有名なワインの銘醸地として知られています。
気候は温暖な海洋性気候に属し、大西洋の影響を受け年間を通して温暖であることが特徴です。また、年間を通して一定の降水があり、ブドウの生育期に適度な湿度が保たれます。そのため、ブドウは過度な環境ストレスを受けることなく、しっかり熟して糖度が高く果実味豊かなブドウが育ちます。
土壌は多様で、地域ごとに異なる特徴があります。主に砂利、粘土、石灰岩、砂、シルトから構成されており、それぞれの土壌がワインの風味や特性に独自の影響を与えます。例えば、メドック地区は砂利質の土壌が多く、カベルネ・ソーヴィニヨンの栽培に最適です。一方で、サン・テミリオンやポムロール地区は粘土質や石灰岩の土壌が多く、メルローの栽培に適しています。
このように、ボルドー地方では穏やかな気候と多様な土壌条件が相まることで、多様で高品質なワインが多く生み出されるのです。
サン・テミリオン
サン・テミリオンはボルドー右岸、ドルドーニュ川の北側に位置し、大西洋から少し内陸に入った場所にあります。そのため、海からの直接的な影響が少なく、標高もやや高めで、ボルドー全体の気候とは異なる特徴があります。この地域の気候は、より温暖で、昼夜の寒暖差が大きいことが特徴です。日中の温暖な気候はブドウの糖度を高め、プラムやブラックチェリーのような濃厚な果実香を持つメルローが育ちます。一方、夜間の気温低下によりブドウの呼吸活動が抑制され、糖と酸の分解が緩やかになることから、糖と酸のバランスが取れたブドウが育ちます。
サン・テミリオンの土壌は主に粘土質と石灰岩質で構成されており、特に粘土石灰質の台地と砂利の多い低地があります。粘土石灰質の台地に含まれる粘土質土壌は水分保持力が高く、ブドウに安定した水分供給を行います。また、温度調整の役割も果たし、日中の熱を保持して夜間にゆっくりと放出することで、ブドウの均一な成熟を促します。一方で、石灰岩質土壌と砂利質の土壌は排水性に優れ、ブドウの根が深く張ることを促します。地中深く張った根は土壌から水分とともに多様なミネラルを吸収し、これらのミネラルがワインに複雑さと深みを与えます。
この地域の気候と土壌の特性により、ブドウは過度な環境ストレスを受けずに均一に成熟し、柔らかいタンニンを持つ果実が育ちます。その結果、果実味が豊かで、シルクのように滑らかな口当たりを持つ、飲み心地の良いフルボディのワインが生まれます。また、石灰岩質土壌の特性がメルローに独特のミネラル感を加え、より豊かな風味を持つワインが完成するのです。