商品について
プラーガーは700年以上の歴史を持つ老舗ワイナリーで、オーストリアのワイン専門誌で最高評価の5つ星を獲得するなどオーストリアを代表する生産者です。 急斜面のブドウ畑とドナウ川の冷却効果により、酸味と複雑な風味が特長のワインが生み出されます。 オーストリアを代表する白ブドウ品種のグリューナー ヴェルトリーナーで造られたこのワインは、シトラスやグリーンアップル、ハーブの香りに加え、白コショウやスパイスのニュアンスが特徴です。シャープな切れ味とミネラル感を持ち、力強さとエレガンスを兼ね揃える上質な味わいを楽しめるワインです。
タイプ
白ワイン
飲み口
辛口
ブドウ品種
グリューナー・ヴェルトリーナー 100%
原産国・地域
オーストリア/ヴァッハウ/フェーダーシュピール
生産者
ワイングート・プラーガー(Weingut Prager)
格付け
FEDERSPIEL
テイスティングノート
色調は、鮮やかな緑がかった黄色です。
香りは、フレッシュなシトラスやグリーンアップル、ハーブの爽やかな香りとスパイスに加え、ワインの銘醸地ヴァッハウ地方のテロワールを反映し、石のミネラルが混ざりあうような複雑なアロマが特徴です。 さらに、トーストやナッツ、ブリオッシュのニュアンスも感じられます。
口に含むと、シャープな切れ味と共に白コショウやスパイスのニュアンスが広がり、バランスの取れた酸味と豊かな果実味が調和しています。火打石のような独特のミネラル感が加わり、滑らかな口当たりと長い余韻が楽しめます。
このワインは、複雑で豊かな風味を持ち、力強さとエレガンスを併せ持っています。
【生産者】ワイングート・プラーガー
プラーガーは、オーストリア北東部にあるヴァッハウ地方の中部ヴァイセンキルヒェン村に拠点を置く、700年以上の歴史がある老舗ワイナリーです。 1302年からブドウ栽培を行い、1715年に公式にワイナリーを設立したプラーガー家は、土地への深い愛着と伝統を大切にしながらワイン造りを行ってきました。 先代のフランツは「ヴィネア・ヴァッハウ」という生産者組合の設立メンバーの一人としてヴァッハウ地方のワイン産業の発展に尽力した人物です。プラーガーを現在の地位まで高めたのは彼の功績によるところが大きいとされています。
現在は、フランツの娘イルゼと、地質学者から醸造家に転身した夫のトニ・ボーデンシュテインがワイナリーを率いています。 トニは、ワイン造りにおいては特にテロワールを重視し、「From rock to wine(石からワインへ)」をモットーに、グリューナー・ヴェルトリーナーとリースリングを通じて畑の個性を表現することに心血を注いでいます。すべてのワインの醸造は基本的に同じアプローチで行っているため、ワインの違いには純粋にテロワールの違いが反映されます。
プラーガーの700年の「歴史」と「土壌」に、トニが持つ「科学」の知見が融合し、世界でも最高レベルの白ワインを生み出すワイナリーへと飛躍しました。 プラーガーは、オーストリアのワイン専門誌FalstaffとVinariaで最高評価の5つ星を獲得し、世界的な権威があるワイン・アドヴォケイト誌から「ワールド・クラス・ワイン」として絶賛されるなど、現在では全オーストリアを代表する生産者として高く評価されています。
生産者 栽培、収穫、醸造方法
プラーガーはオーストリアを代表するワインの銘醸地、ヴァッハウ地方に位置する老舗ワイナリーです。 プラーガーでは1960年代と1980年代に高密度で植樹した異なるクローンのブドウを様々な植物と一緒に栽培しています。これがワインに花や果実、スパイスなどの複雑で多層的なアロマをもたらします。
高密度で植樹すると、ブドウの樹は栄養を求めて地中深くまで競争して根を張り、水や栄養を効率的に吸収します。一方で、根の成長と栄養吸収にエネルギーを使うため、ブドウの粒は小さくなります。このため、小さな粒に風味が凝縮され、豊かな香りと味わいのブドウが育ちます。また、葉が日陰をつくることで、ブドウはゆっくりと成熟し、フレッシュなアロマとミネラル感が保たれます。
収穫は手摘みで行われ、熟度が均一で品質の高いブドウのみが収穫されます。 これにより、濃厚な香りと味わいのあるワインを造ることが可能になります。 ブドウは全房でプレスし、ステンレスタンクで発酵を行うことで、ブドウのフレッシュでピュアな風味が損なわれず、果皮や種からの風味が適度に抽出され、複雑な風味と構造が加わります。
発酵には自然酵母を使用することで、その土地の多様な微生物環境がワインに反映され、フローラル、ハーブ、スパイスなどの複雑で豊かな香りが生まれます。また、マロラクティック発酵を行わないため、リンゴ酸のフレッシュで高い酸味が保たれ、鮮やかな緑がかった黄色のワインになります。
熟成過程では、バトナージュ(果汁の底に滞積する澱をかき混ぜる作業)が行われ、澱との接触により、トーストやナッツ、ブリオッシュのような複雑な香りが加わります。低めのドサージュ(補糖)を行うことで、ワインの純粋さを維持しつつ、わずかな甘みが加わり、フレッシュでドライなフィニッシュを特徴とします。
ワイン名「プラーガー グリューナー ヴェルトリーナー・ヒンター・デル・ブルグ フェーダーシュピール」の、「フェーダーシュピール」という言葉は、元々はドイツ語で鷹狩りの道具を指す用語です。ヴァッハウ地方独自のワイン等級制度においては、一定のアルコール度数でバランスの取れた味わいと適度な力強さを持つ中間クラスのワインに与えられる称号として使われています。
【生産地】オーストリア/ヴァッハウ
ヴァッハウ地方は、オーストリア北東部で首都ウィーンを囲むように広がるニーダーエステルライヒ州の西端に位置しています。 オーストリアを代表するワインの銘醸地で、ドナウ川沿いの美しい景観は世界文化遺産にも登録されています。
気候は、大陸性気候とこの地域特有のパノニア気候の影響を受けています。夏は暑く冬は非常に寒冷ですが、大きなドナウ川が気温の緩衝材として作用し、夏の過度な気温上昇や冬の厳しい冷え込みを緩和することで、ブドウの成長に適した環境が保たれています。
ヴァッハウ地方の地理的な特徴は、ドナウ川を見下ろす急勾配の段々畑です。 斜面では、豊富な日照を受けてブドウがよく成熟し糖度が高まります。同時に、ドナウ川から運ばれる冷気が夜間の気温を下げ、ブドウの夜間の呼吸活動を抑制して酸の分解を妨げることからブドウの酸度が保たれます。このため、豊かな果実味と適度な酸味のバランスが取れたブドウが育ちます。また、昼間の光合成で活発に形成されたアロマ成分が夜間の低温で分解されにくくなるため、フレッシュなシトラスやグリーンアップルの香りが際立つブドウが生まれます。
さらに、ヴァッハウの土壌は主にロームと片岩で構成されており、ブドウの根が地中深く張ることで土壌から豊富なミネラル分を吸収します。 これにより、ワインに火打石のような独特のミネラル感が加わり、複雑な風味と構造がもたらされます。
ヴァッハウ地方の中でもブラーガーの拠点があるヴァイセンキルヒェン村は、特に有名なワイン産地の一つです。標高や日照などの条件がワイン用のブドウ造りに非常に適しており、グリューナー・ヴェルトリーナーやリースリングといった品種のワインが高く評価されています。
このようにヴァッハウ地方はブドウの成長に適した気候と、ミネラルの豊富な土壌に恵まれ、色調、香り、味わいの全てにおいてバランスの取れた、非常に魅力的なワインを生み出しています。