商品について
ハーシュヴィンヤーズ サンアンドレアスフォールト ピノ・ノワールは、高名な栽培家からワイナリーのオーナーとなったデヴィッド・ハーシュが生産するワインです。
サンアンドレアス断層が持つ特徴的な条件によって、鮮やかな果実味と緊張感のある酸味が凝縮したピノ・ノワール。
ウエスト・ソノマ・コーストでも有数の質を誇るハーシュ ヴィンヤーズ サンアンドレアスフォールト ピノ・ノワールには、カリフォルニアの太陽のようなエネルギーが感じられます。
タイプ |
赤ワイン |
飲み口 |
辛口 |
ブドウ品種 |
ピノ・ノワール 100%
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原産国・地域 |
アメリカ/カリフォルニア/ウエストソノマコースト
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生産者 |
ハーシュヴィンヤーズ(Hirsch Vineyards) |
格付け |
フォートロス・シーヴューAVA |
テイスティングノート
色調は深いルビー色です。
香りは、チェリーやラズベリーなどのフルーツに加え、スミレやバラも感じられます。フレッシュなストロベリーやオレンジオイル、ドライストローのニュアンスも含まれています。
口に含むと、クリアな酸味とミネラル感が印象的。エレガントな果実味、鮮やかで複雑なアロマで満たされます。
梗由来と思われるバニラやクローブ、シナモンなどのスパイス感が後を引き、しっかりとしたストラクチャーを堪能できます。
【生産者】ハーシュ・ヴィンヤーズ
太平洋を見下ろすような場所に位置するハーシュ・ヴィンヤーズ。
高品質のピノ・ノワールの栽培で有名なソノマ・コーストのなかでも、群を抜く条件のよさで知られています。
ハーシュヴィンヤーズの創始者、デヴィッド・ハーシュの歩みは1978年にこの地を購入したことから始まりました。もともとは羊牧場であった土地にブドウを植えたのは1980年。デヴィッド・ハーシュの不断の努力により、トゥルー・ソノマ・コーストにおける最古のブドウ園として著しい成長を遂げました。
ブドウ栽培が難しいといわれていたソノマ・コーストの冷涼地はやがて、高名な醸造家を唸らせる出来のピノ・ノワールを生み出すまでに発展。ハーシュ・ヴィンヤーズは、ウィリアムズ・セリエム、キスラー、フラワーズなど、名だたるワイナリーにブドウを供給するようになりました。
2002年、デヴィッド・ハーシュは自らワイナリーを設立。自社ブランドのワインの生産に乗り出しました。デヴィッド・ハーシュは72エーカーにおよぶ60以上の区画を所有し、各区画のブドウからできるワインを試飲し徹底研究。それぞれの土地の土壌や気候、特徴を熟知し、より長所を引き出せるワイン製造を目指したのです。
2019年、デヴィッド・ハーシュの娘でジェネラルマネージャーを務めていたジャスミンがワインメーカーに就任。新進気鋭の醸造家マイケル・クルーズ氏がコンサルタントとして参加します。
2020年、ブドウの全房発酵から完全除梗へ移行。
こうした努力が実を結んだのが、2021年のヴィンテージでした。
この年、ハーシュのピノ・ノワール・ラシェン・リッジが、ジェームス・サックリングおよびヴィノスのガローニから初の100点を獲得します。
カリフォルニア産ピノ・ノワールとしては、同時100点獲得は前代未聞の快挙でした。
盤石のブランド力を構築したハーシュ・ヴィンヤーズは、全米の有名レストラン向きのプライベートラベルも発信し始めます。オバマ元大統領も行きつけのレストランでハーシュ・ヴィンヤーズのワインを愛飲するのだとか。
セレブの舌を満足させるワインを生産し、確固たるブランドとなりました。
ハーシュ・ヴィンヤーズの個々のブドウに合わせたワイン造り
ハーシュ・ヴィンヤーズは、太平洋を望む冷涼な地に位置しています。
1000エーカーという広大な土地に72エーカーのブドウ畑が点在し、67のブロックは、それぞれの環境に合わせた適切な管理がなされています。
2011年にバイオダイナミック農法を導入、2014年までに全畑がバイオダイナミックになりました(未認証)。
ハーシュ・ヴィンヤーズの収穫はいわゆるナイト・ハーヴェスト。気温が低い夜間にブドウの収穫を行い、酒石酸やリンゴ酸の分解がされにくい環境を整えています。結果、きりっとした酸度を維持。低温での収穫は芳香成分の維持も容易で、ワインのフレッシュ感の演出に寄与してくれます。
発酵の段階では、除梗するか否かは収穫されたブドウの状態から判断されます。一部のブドウを全房発酵することで、梗に含まれる成分がワインの味を決めることも。よりスパイシーで複雑な味わいのワインを作るために、発酵過程におけるブドウの処理は経験と技術が頼りです。
熟成に使用されるのはフレンチオーク樽。フレンチオーク樽は、バニラやクローブ、シナモンのようなまろやかな香りをワインに与えます。タンニンが柔らかくなり、円熟した味わいのピノ・ノワールへと仕上がるのです。
樽の熟成はワインに微細な酸化作用をもたらし、果実感や酸味のバランスを改善。長い熟成に耐えうる、力強いピノ・ノワールが生まれます。
【生産地】カリフォルニア
日本の全面積よりわずかに大きいカリフォルニア州。本州から九州までの緯度に合致しています。
カリフォルニア州は、世界的に知られる有数のワイン生産地です。北部のナパバレーやソノマから南部のサンタバーバラやパソロブレスにいたるまで、異なる品種のブドウが植えられ、名だたるワインを生み出しています。
カリフォルニアは、南北の地勢よりも海からの距離が気候に影響しています。海岸沿いは昼夜の温度差が小さく、内陸部に行くほどその差は大きくなるという特徴があります。
カリフォルニアでワインの名産地とされている地域は海洋性気候。夏は暖かく乾燥し、冬は温暖で湿気が高くなります。夏の高温も海からの風で和らぎ、内陸の気温はかなり下がります。昼夜の温度差は、酸度を維持しながら糖分を蓄えることを可能にするため、ワインは深みのある味わいとなります。
カリフォルニアは地域によって土壌も多種多彩。バラエティ豊かなワインの生産も、土壌の相違によって生まれます。
たとえばナパバレーの土壌は火山性で鉱物の成分が多いのに対し、ソノマバレー喉場は粘土質や砂質、ローム質が混在しており、ワインの味わいや風味に影響を与えています。
本記事の主役、ハーシュ・ヴィンヤーズ サンアンドレアス フォールト・ピノ・ノワールのブドウ園があるのは、太平洋からわずか4kmのあたり。海抜500mの高地にあり、冷涼な気候のなかでブドウは成長していきます。ほどよいミネラル感は、地理的条件に因るところが大きいといわれています。
ブドウ畑のすぐそばにはワイン名にもなっているサンタンドレアス断層があり、さまざまな地層が交錯する複雑な地形を持っています。やせた土地と複雑な地層が絡み合う独自の性質は、サンアンドレアス フォールト・ピノ・ノワールの豊かなアロマを作り出しています。
ウェストソノマコースト
ハーシュ・ヴィンヤーズのサンアンドレアス フォールト・ピノ・ノワールのブドウが生産されるウエスト・ソノマ・コースト。ソノマの太平洋岸にあり、標高120~550mの高低差が特徴です。
北西から南東に向かう細長い地形で、中央部の標高が高くなっています。
ウエスト・ソノマ・コーストは、海岸性気候のメリットを享受。沿岸を流れる寒流の影響で、真夏でも最高気温は30℃を超えることがありません。
春から秋にかけての降雨量が少なく、標高が低い場所は霧の影響を受けます。それに伴って日照時間もさまざま。霧が出ない標高が高いエリアほど日照時間が長くなっています。
カリフォルニアの太陽を浴びて光合成をしっかりと行ったブドウは、赤果実系のピュアな芳香を放ち、力強くエレガントな1本に。冷涼な気温によってアクセントとなる酸味もバッチリ、ラズベリーレッドのカラーも鮮やかになります。
ウエスト・ソノマ・コーストの土壌は、サンアンドレアスフォールト(断層)によって形成されています。火山性の成分や、海底にあった堆積土壌が混在するという複雑な構造です。ソノマの宝といわれるゴールドリッジは、痩せた土壌ながら水はけがよく、ワインの中核となる味わいを凝縮させます。
こうした土地の恩恵を十全に受けたハーシュ・ヴィンヤーズ サンアンドレアス フォールト ピノ・ノワール。
エレガントな果実味、力強い芳香、芸術的なラズベリーレッドは、大地と技術の融合のシンボルといえます。