商品について
フランス・アルザスの法律までも変えた革新的な生産者マルセル・ダイスが造るリースリング。
異なる個性を持つ2つの畑から選び抜いたブドウを巧みにブレンドし、アルザスのテロワールを存分に引き出した、複雑で長い余韻を持つ自然派ワインです。
レモンや白い花などのエレガントな香りが広がり、白桃やパイナップルの豊かな風味が深いコクを与えます。鮮やかな酸味とフレッシュな果実味が見事に調和し、長く続く余韻の中で風味が深まり複雑性を増していく、スケールの大きさを感じさせる一本です。
タイプ |
白ワイン |
飲み口 |
辛口 |
ブドウ品種 |
リースリング 100%
|
原産国・地域 |
フランス/アルザス
|
生産者 |
ドメーヌ・マルセル・ダイス(Domaine Marcel Deiss) |
格付け |
A.O.C. アルザス |
テイスティングノート
色調は、明るいゴールドです。
香りは、長い生育期間を経て成熟したリースリング特有の、レモンや白い花、ミント、蜂蜜といった豊かなアロマが広がります。フルーティで複雑なアロマが印象的です。
口に含むと、高い酸味とフレッシュな果実味が際立ちます。レモンやライムといったシトラス系のアロマが強調され、さらに白桃やパイナップルの風味も感じられます。豊かなコクとエレガントな酸が綺麗に調和しています。長く持続する余韻の中で風味が深まり、複雑さが増していきます。
このワインは、ドメーヌ・マルセル・ダイスの独自の哲学と高品質な造りを体現しており、濃厚でバランスの取れた味わいが楽しめる1本です 。
【生産者】ドメーヌ・マルセル・ダイス
ドメーヌ・マルセル・ダイスは、フランスのアルザス地方に拠点を置き、アルザスのトップ生産者として、世界的にも名高いワイン生産者です。1945年にマルセル・ダイス氏(故人)が正式にワイナリーを設立し、現在は3代目のジャン・ミシェル・ダイス氏が指揮を執っています。
ジャンは、アルザス地方に「テロワール(風土)」の概念を初めて持ち込み、ラベルへのブドウ品種の記載義務をなくすなどAOC法(原産地呼称保護法)の改正を成し遂げた信念と革新の人として知られています。
ワイン造りにおける彼の哲学は、テロワールの個性をそのままワインに表現することであり、土地の個性を最大限に引き出すことに注力しています。その哲学は、混植(コンプランタシオン)やビオディナミといった手法を通じて具現化されています。混植は、異なる品種のブドウを同じ畑に植える栽培法で、これにより品種の個性以上に土地の特性が際立つワインが生み出されます。また、テロワールの本質を引き出すために、1997年より有機農法の一種であるビオディナミ農法を採用し、土壌の活性化を図っています。
現在では、ジャンの息子、マチューもワイナリーの運営に参画し、自然派ワインやアンフォラの使用、無添加のワイン造りなどに取り組んでいます。
ドメーヌ・マルセル・ダイスは、その独自の哲学と高品質なワインにより、これまでに数々の賞を受賞しています。特に、トップキュヴェでグランクリュのアルテンベルグ・ド・ベルクハイムは、その革新的な混植ブレンドが世界的に高く評価されています。
生産者 栽培、収穫、醸造方法
ドメーヌ・マルセル・ダイスでは、異なる品種のブドウを同じ畑に植える混植法を採用しています。本来ブドウは品種ごとに成長や収穫の時期が異なるところを、同じ畑に混植すると、リースリング、ピノ・グリ、ミュスカなどが同じスピードで成熟して、同時期に収穫のタイミングを迎えます。こうして育てられたブドウには品種の個性以上に土地の個性が反映されます。
また、ビオディナミ農法により、土壌が活性化され、土地の特徴がよく出た、元気で健康的なブドウが実ります。農薬や化学肥料を使わないため、環境保護にもつながっています。
収穫は手作業で、熟度が均一で品質の高いブドウのみを厳しく選別することで、濃厚な香りと味わいを持つワイン造りを可能にしています。
圧搾工程は、一般的には4時間程度で行うところを、マルセル・ダイスでは12~16時間かけ、ブドウの果皮が破れないようにゆっくりと圧搾します。これにより、果実のピュアな風味が保持されるとともに、果皮に含まれる香り成分やミネラルがより多く抽出され、複雑で深みのある風味が形成されます。
続く発酵工程では、野生酵母を使用することで長い時間をかけて発酵が進行し、その過程でブドウが持つフルーティなアロマや花の香りが引き出され、豊かでコクのある味わいがもたらされます。マロラクティック発酵はほとんど行われないため、フレッシュな酸とブドウ本来の果実味が保持されます。熟成は、大きな古樽を用い、1年間澱の上でワインを熟成させます。大きな古樽を使用することで、木の風味がワインに移ることなく酸化熟成がゆっくりと進み、ブドウ自体の純粋な味わいが保たれます。また、清澄・濾過は行わず、ワインの自然な成分がそのまま保持されるため、香りや味わいがより一層豊かなワインが生み出されるのです。
生産地 アルザス
ドメーヌ・マルセル・ダイスのあるアルザス地方は、フランス北東部にあり、ヴォージュ山脈の東側でドイツとスイスの国境に接する高地に広がっています。この地域は、ヴォージュ山脈が雨雲を遮ることから、フランスで最も乾燥した地域の一つとされています。また、気候は半大陸性気候で、暑い夏と寒い冬、そして穏やかな春と秋が特徴です。
この気候条件のおかげで、アルザスのブドウは長い成育期間を経て完熟し、結果として、複雑で深みのある風味のブドウが育ちます。さらに、温暖な日中と冷涼な夜間の寒暖差がブドウの酸味を維持し、ワインに爽やかさとバランスを与えます。
アルザスの土壌は「テロワールのモザイク」と呼ばれるほど非常に多様です。かつての海底が隆起して形成されたこの地域には、花崗岩、石灰岩、粘板岩、砂利など13種類以上の異なる土壌タイプが存在し、それぞれがワインに独特の風味を与えます。
例えば、石灰岩土壌ではレモンやライムといったシトラス系のアロマが強調され、花崗岩土壌ではレモンキャンディのような風味が見られます。また、粘板岩土壌では石油のようなミネラル香が現れることがあります。
これらの気候的および地質的条件が相まって、アルザスのワインは高い酸味と豊かなミネラル感、複雑なアロマを持つワインになるのです。
【生産地】テロワールの融合
マルセル・ダイスのリースリングは、アルザス地方のサン・イポリットとベブランハイムという2つの村の畑で栽培したブドウをブレンドして造られています。
サン・イポリットは砂質と花崗岩質主体の乾燥土壌で、酸がきりりと立ち、しっかりとした構造を持つワインを生み出します。
ベブランハイムは石灰岩質の表土を持ち、水捌けと保熱性が良く、高い酸と豊かなコクを持つブドウを育てます。これにより、レモン、白桃、パイナップルなどの果実味とエレガンスが特徴のワインが造られます。
これらをブレンドすることにより、それぞれのテロワールの特性が融合し、より一層複雑でスケールが大きく名作と呼ぶにふさわしいワインが生まれるのです。