商品について
歴史は浅いながらも、南アフリカのトップワイナリーとしてその地位を確立しているマリヌー。国内外のワイン評価誌で軒並み高評価を得ており、その品質は折り紙付きです。
人の介入を極力控え、自然に寄り添う丁寧な手法で造られたこのシラーには、ウエスタンケープ州スワートランドが誇る優れたテロワールが存分に反映されています。この地特有の凝縮感とミネラル感から生まれる個性的な味わいに、エレガンスと複雑さが見事に調和。価格以上の価値を楽しめるワインとして、多くの愛好家を魅了しています。
タイプ |
赤ワイン |
飲み口 |
フルボディ |
ブドウ品種 |
シラー 100%
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原産国・地域 |
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生産者 |
マリヌー(Mullineux & Leeu Family Wines) |
格付け |
スワートランドW.O. |
テイスティングノート
色調は、濃く深みのあるルビー色です。
香りは、ブラックベリーやブルーベリーなど黒系果実のフレッシュなアロマが広がり、スミレの繊細な香りが調和しています。さらに胡椒やクローブ、シナモンといったスパイスのニュアンスが複雑さを添えています。
口に含むと、凝縮された果実味とともに、ミネラル感が骨格を形成し、複雑で深みのある味わいが広がります。滑らかなタンニンが全体を包み込み、スパイシーな風味が余韻に長く続きます。
このワインは、スワートランドのテロワールを見事に表現し、洗練されたスタイリッシュなシラーです。
【生産者】マリヌー
マリヌーは、2007年に南アフリカのウエスタンケープ州にあるワイン産地スワートランドでクリス・マリヌーとアンドレア夫妻が設立したブティックワイナリーです。南アフリカ出身の栽培家クリスとカリフォルニア出身の醸造家アンドレアが、スワートランドの豊かなテロワールに魅了され、この地域特有の個性をワインで表現することに注力しています。
マリヌーは、そのワイン造りにおいて自然で持続可能なアプローチを採用しています。添加物を使わず人為的な介入を最小限にすることで、テロワールとブドウ本来の味わいに満ちた、素晴らしいワインを生み出します。
今では南アフリカを代表する造り手として国際的にも高く評価され、南アフリカワインを評価するプラッターズ・サウスアフリカン・ワインガイドで複数回に渡りワイナリー・オブ・ザ・イヤーを受賞。また世界的に権威ある米ワインエンスージアスト誌で「インターナショナル・ワインメーカー・オブ・ザ・イヤー」に選ばれるなど、数々の賞を総なめにしています。
自然と共生するサステイナブルなワイン造り
マリヌーでは、自然との共生を大切にしながら人的介入を最小限にし、サステイナブルなワイン造りに取り組んでいます。
栽培は、スワートランドの乾燥した気候を活かし、灌漑は行わずこの地に適したブッシュヴァイン(低木仕立て)で行っています。乾燥地で降雨量が少ないため、ブドウは生存のため地中深くまで根を張り、土壌から水分とともに豊富なミネラルを吸収して、ワインに複雑な風味がもたらされます。
収穫は手摘みで行い、熟度が均一で質の高いブドウのみを厳選。この丁寧な選別が、ワインに濃厚な香りと豊かな味わいを生み、深みと凝縮感のある仕上がりにつながります。
収穫後ブドウは全房のまま破砕して16~18℃の低温で醸し(マセラシオン)を行うことで、果汁の酸化を防ぎつつ、果皮や種子、梗から豊かな色素や風味成分を抽出します。この過程でシラー特有のブラックベリーやブルーベリー、ラズベリーのフレッシュで繊細な香りが際立つようになります。
発酵は、ワインの個性を引き出すべく慎重に設計されています。野生酵母を用いた全房発酵を3~7週間かけて行い、その間1日1~2回のピジャージュ(上部に浮いてきた果皮などを押し戻す作業)を実施します。この全房発酵により、梗由来のスパイシーでグリーンな香りがワインに加わり複雑性が増します。また、野生酵母による発酵は培養酵母に比べて時間がかかるため、その過程でブドウ本来の豊かな風味がゆっくりと引き出されていきます。このプロセスの中で、補酸などの人為的な調整は一切行わず、清澄や濾過も行いません。
発酵後、プレスしたワインは、新樽を含むフレンチオークを用いて熟成が行われます。この過程で、ヴァニラやクローブ、シナモンといった樽由来のスパイスの風味がワインにほど良く溶け込み、凝縮した果実味とオークの特徴が調和してくれます。さらに、熟成で柔らかくなったタンニンが、ワインに深みをもたらし複雑でバランスの取れた仕上がりへと引き上げます。
【生産地】ウエスタンケープ
ウエスタンケープ州は南アフリカ南西部に位置し、大西洋とインド洋に囲まれた広大な地域です。ケープタウンを中心に、スワートランド、ステレンボッシュ、パール、ヘメル・アン・アードなど、国際的に有名なワイン産地が点在しています。
気候は地中海性で、夏は暑く乾燥し、冬は温暖で適度な降雨があります。春から夏にかけて吹く「ケープ・ドクター」と呼ばれる海からの冷たい風と霧が夏の暑さを和らげ、ブドウの成熟期間を延ばすことで、ブドウが時間をかけて均一に成熟します。これにより、この地では豊かな果実味とフレッシュな酸味のバランスが取れた、質の高い果実が育まれます。
こうしたウエスタンケープのテロワールには、欧州産の高級ワインと比較しても遜色のない高品質のワインを生み出すポテンシャルがあります。この地のワインは、手頃な価格でも自然なバランスと豊かな酸味のある味わいで、世界的に高い評価を獲得しています。
スワートランド
南アフリカのスワートランドは、ウエスタンケープ州北部の内陸に広がる乾燥した地域で、沿岸部から離れているため、冷涼な海洋気候の影響が少なく、温暖な気候が特徴です。
この地域は特に乾燥が強く夏は暑くなるため、ブドウの糖度が上がり、アルコール度数の高いワインが生み出されます。さらに、水分ストレスがかかることで果実の風味が凝縮され、ワインに深みと複雑さが加わります。
土壌は、シルト、シェール(頁岩)、花崗岩、片岩といった様々な成分で構成されています。排水性に優れ、ブドウの根が地中深くまで張ることで、ワインに豊かなミネラル感がもたらされます。特に片岩や花崗岩を含む土壌は、ワインに鮮明な骨格と豊かな風味を与えることで知られています。
マリヌー シラーは、スワートランドの複数の畑から収穫されたブドウから造られ、この地特有のテロワールを反映した凝縮感とミネラル感のある味わいをしっかり保持できています。他の産地のシラーにはない独自の個性と価格以上の価値を感じさせる1本になっているのはまさにこの地で造られたワインだからでしょう。