商品について
1976年にパリで開催されたフランスワインとカリフォルニアワインのテイスティング対決「パリの審判」。このイベントで優勝するという歴史的快挙を成し遂げ世界を驚かせたのが、当時新興ワイナリーで注目すらされていなかったスタッグス・リープでした。
今や世界的なワイナリーとなったスタッグス・リープを象徴する品種がカベルネ・ソーヴィニヨン。このアルテミスは、傑出したテロワールと手間を惜しまない畑管理、そして丁寧なワイン造りが生み出した特別なカベルネ・ソーヴィニヨンです。
タイプ |
赤ワイン |
飲み口 |
辛口 |
ブドウ品種 |
カベルネ・ソーヴィニヨン 99%
カベルネ・フラン 1%
(2021)
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原産国・地域 |
アメリカ/カリフォルニア/ナパヴァレー
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生産者 |
スタッグス・リープ・ワイン・セラーズ
Stag’s Leap Wine Cellars |
格付け |
カリフォルニア AVA |
テイスティングノート
色調は、深みのある赤色です。
香りは、カシスやブラックチェリーの豊かな果実のアロマが広がります。樽由来のヴァニラやクローヴのニュアンスも感じられ、さらにミントの爽やかな香りが魅力的なアクセントを添えています。
口に含むと、豊かな果実味とフレッシュな酸味がバランスよく、複雑で濃厚な風味で口中が満たされます。しっかりとした骨格と豊かなミネラル感があり、余韻が長く続くことがわかるでしょう。
このワインは、力強くエレガントで高い熟成ポテンシャルを持つ、フルボディのカベルネ・ソーヴィニヨンです。
【生産者】スタッグス・リープ・ワイン・セラーズ
スタッグス・リープ・ワイン・セラーズは、シカゴ大学で政治学を教えていたウォーレン・ウィニアルスキー氏によって、1970年にナパ・ヴァレーで設立されたワイナリーです。ワインの世界に魅了された彼は、情熱に突き動かされるように1968年にナパ・ヴァレーへと移住し、ワイン造りを学びました。その過程で彼は、現在スタッグス・リープが拠点を置く地域で先駆者としてブドウ栽培を行っていたネイサン・フェイ氏のカベルネ・ソーヴィニヨンに感銘を受けます。この地のワイン産地としての可能性を確信した彼は、スタッグス・リープ・ヴィンヤード(S.L.V.)を設立することを決断したのです。
「スタッグス・リープ」という名前は、狩猟で追い込まれた牡鹿(stag)が谷を飛び越えて(leap)逃げたというネイティブ・アメリカンの伝説に由来しています。この伝説に象徴される牡鹿の勇敢さと躍動感は、スタッグス・リープのワインのスタイルに色濃く反映されています。
1976年には、世界的に有名な「パリの審判」で、スタッグス・リープのカベルネ・ソーヴィニヨンがフランスの一流シャトーを打ち破り、一位を獲得。誰も想像すらしなかったこの快挙が、カリフォルニアワインに対する国際的な評価を一変させることになります。そしてこれを機に、スタッグス・リープは世界トップクラスのワイナリーとしての地位を確立していくのです。
時が流れ、パリの審判から長い年月を経た現在も、スタッグス・リープは変わらず卓越したブドウ栽培と革新的な醸造技術を駆使したワイン造りで、世界中のワイン愛好家から支持され続けています。
スタッグス・リープの自然と調和したワイン造り
スタッグス・リープでは、ブドウ畑全体を健全に維持することが優れたワインを生むために重要であると考え、畑を丁寧に管理しています。
栽培では、草の植栽を行うとともに、キャノピーマネジメント(ブドウの樹勢管理)を徹底しています。植栽することで土壌に有機物が供給され、土壌の構造改善にもつながります。また植栽に益虫が誘引されることで、畑の生物多様性が向上し、特定の害虫が発生するリスクの低減にもつながります。こうしてブドウの生育環境の最適化を図ることで、豊かな果実味と複雑な風味を持つブドウを造り出しています。
収穫はすべて手作業で丁寧に行われ、その後すぐに醸造工程へと移行します。ブドウの鮮度を守りながらワイン造りを進めることで、フレッシュな酸と生き生きとした果実味を持つワインを生み出すことが可能になります。
スタッグス・リープの醸造所では、ポンプなど機械的な力でブドウや果汁を移動させるのではなく、自然の重力を利用して高いところから低いところに移動させるグラヴィティシステムを採用しています。ブドウに余計な負担をかけずに優しく扱うことで、果実の純粋な風味を保ちながら、エレガントな味わいを引き出します。
発酵工程では、搾りかすを丁寧に取り除き、過度な渋みや苦味の抽出を防ぎつつ、繊細な香り成分を損なわないよう努めています。
熟成にはフレンチオークの新樽を50%使用し、複雑で奥行きのある香りと味わいを引き出します。さらに長期間熟成させることで、柔らかいタンニンとしっかりした骨格を持つワインに仕上げるのです。
【生産地】カリフォルニア州
カリフォルニア州はアメリカ西海岸に位置する広大な州で、多くのワイン産地を擁しています。その中でも最も有名な産地であるナパ・ヴァレーは、サンフランシスコの北東約80kmに位置し、南北約50kmに広がる渓谷で、東西を山脈に挟まれています。
ナパ・ヴァレーの気候は地中海性で、昼夜の寒暖差と太平洋から流れ込む冷涼な霧が特徴です。これらの気象条件がブドウをゆっくりと均一に成熟させ、酸味と果実味のバランスが取れたエレガントなワインを生み出すことで知られています。
ナパ・ヴァレー
スタッグス・リープ・ディストリクトは、ナパ・ヴァレーの中心部からやや南東に位置し、特に優れたワインを生み出す区画として知られています。
この地域の土壌は、ミネラル豊富で水はけの良い火山性土壌と砂質粘土が混ざり合っていることでも知られています。ブドウは水分を求めて地中深くまで根を張り、土壌から豊富なミネラルを吸収できているのです。その結果、適度な水分ストレスとミネラルの影響により、凝縮感のある果実味としっかりとした構造、複雑さを持つブドウが育ちます。
スタッグス・リープの「アルテミス」は、この特別なテロワールの恩恵を受け、豊かな果実味とフレッシュでエレガントな酸味、そして豊富なミネラルのバランスが見事に取れています。力強さと優雅さを兼ね備えており、長期熟成させることで、さらなる深みが加わるワインです。