商品について

ナポレオンが皇帝を退位後、幽閉先となった南大西洋の孤島セントヘレナ島で亡くなるまで愛飲し続けたと言われる伝説的なエピソードが残る南アフリカの甘口ワインです。ブドウは熟度に応じて粒単位で丁寧に収穫。さらに、1年かけてじっくり発酵させるなど時間と手間を惜しまず造られた、複雑で濃縮された味わいが特徴の極上デザートワインです。

タイプ	白ワイン
飲み口	甘口
ブドウ品種	ミュスカ・ド・フロンティニャン100%（2019）
原産国・地域	南アフリカ/コンスタンシアヴァレー
生産者	クレイン・コンスタンシア
格付け	South Africa Wine of Origin Constantia

テイスティングノート

色調は、鮮やかなライトゴールドです。

香りは、アプリコットやサンダルウッド、オレンジマーマレードを思わせる豊かで複雑なアロマが広がります。さらに、異なる種類の樽を使用することで生まれるスパイスのニュアンスが、ワインに絶妙なバランスと深みをもたらしています。

口に含むと、クリーミーでリッチなテクスチャーが心地よく、シトラスやジャスミン、ローズウォーターの繊細な風味が調和しています。上品な甘みをしっかりした酸味が支える味わいでは、絶妙なバランスと、複雑で長い余韻が特徴のワインです。

【生産者】クレイン・コンスタンシア

クレイン・コンスタンシアは、南アフリカのワイン史において重要な位置を占めるワイナリーです。1685年、南アフリカケープ州の初代総督シモン・ファン・デル・ステルによってケープタウン近郊のコンスタンシアで設立されました。ワイナリー名は「小さなコンスタンシア」という意味で、元々広大だった農場が競売で分割された際に付けられました。

このワイナリーは、甘口ワイン「コンスタンシア・ワイン」の生産で名を馳せ、19世紀にはナポレオンを含む多くのヨーロッパ王族に愛されました。その名声は文学作品にも登場するほどでしたが、19世紀末に病害でブドウ畑が壊滅し、約100年にわたり生産が中断されました。

1980年、南アフリカの実業家ダギー・ジューストによってワイナリーが再建され、1986年に「ヴァン・ド・コンスタンス」が復活。その複雑な風味と優れたバランスにより、ジェームス・サックリングやティム・アトキンなど、世界的に有名な評論家から高く評価されています。

現在は醸造責任者マシュー・デイのもと、伝統と革新を融合させ、持続可能な農法で環境と調和しながら優れたワインを生み出し続けています。

クレイン・コンスタンシアのこだわりワイン造り

クレイン・コンスタンシアでは、ブドウ栽培から熟成まで、細部までこだわり抜いた手法でワイン造りを行っています。

栽培では、ブッシュヴァインと呼ばれる、南アフリカ伝統の低木仕立てを採用しています。果実が地面に近く地熱や地面からの反射光の影響をより大きく受けることで成熟が早まり、凝縮感のあるブドウが育ちます。また、冷たい海風が吹く風通しの良い環境と、葉が日陰を作らないことで果実に均等に日が当たり、酸味をしっかりと保ちながら、濃縮感のあるフルーティーな風味が形成されます。

収穫は3か月にわたり、手摘みで慎重に行われます。熟度に応じて粒単位で選別され、酸味が際立つブドウから糖度が凝縮したレーズン状のブドウまで、異なる熟度のブドウを段階的に収穫することで、複雑で深みがあり、濃厚な香りと味わいを持つワインを生み出します。

醸造では、果皮を果汁に漬け込むことで、果皮から色素と風味成分を抽出し、ワインに色と深みを加えます。果皮との接触時間を長くすることで、複雑でリッチな風味がもたらされます。

発酵は6か月から1年かけてゆっくりと進行し、その過程で自然な甘味と酸味が調和した豊かな味わいと長い余韻が育まれます。

熟成には、フレンチオーク樽とアカシア樽を使用し、18か月以上かけて行います。異なる樽の特性を活かすことで、木材のニュアンスがワインにバランス良く移り、滑らかで複雑な味わいのワインが完成します。

【生産地】コンスタンシア・ヴァレー

ヴァン・ド・コンスタンスが生産されているのは、南アフリカ・ケープタウンから約20キロメートル南に位置するコンスタンシア・ヴァレー。フォールス湾に近く、コンスタンシアベルグ山の斜面に広がるこの地域は、冷涼な海洋性気候に恵まれています。

フォールス湾から吹き込む冷涼な海風は、急激な気温上昇を抑え、ブドウ畑の温度を安定的に保つ役割を果たします。このため、ブドウはゆっくりと時間をかけて成熟し、酸味と糖度のバランスが良い高品質なブドウが育ちます。

土壌は風化した花崗岩や砂岩で構成されており、水はけが良いのが特徴。ブドウは水分を求めて根を深くまで伸ばし、土壌から豊富なミネラルを吸収することで、複雑な風味を持つブドウを生み出す要因となっています。