伝統と革新の融合～「グランジ」をはじめとする数々の偉大なワインを手掛けるオーストラリア屈指の老舗ワイナリー

ペンフォールズの歴史は、1844年まで遡ります。イギリスから南オーストラリア州マギルに移住したクリストファー・ローソン・ペンフォールド博士と妻メアリーが、医療用に酒精強化ワインの製造を開始したのが始まりでした。
ペンフォールズの歴史の中でチーフワインメーカーはわずか4名しか存在せず、それぞれが伝統を守りながら革新を追求してきました。その結果、ペンフォールズは、ワイン＆スピリッツ誌の「ワイナリー・オブ・ザ・イヤー」を世界中のどのワイナリーよりも多く受賞するなど、オーストラリアを代表するワイナリーとして高い評価を受けています。特に、ペンフォールズの代表作「グランジ」は、ワインスペクテーター誌により「20世紀における最も偉大なワイン12本」の1本に選出されるなど、世界的な名声を獲得しています。

伝統と革新の歴史～医療用ワインから「グランジ」へ、ペンフォールズの挑戦の軌跡

ペンフォールズの歴史は、1844年に遡ります。イギリスから南オーストラリア州マギルに移住したクリストファー・ローソン・ペンフォールド博士と妻メアリーが、医療用に酒精強化ワインの製造を始めたことがその始まりです。博士の死後、メアリーと義理の息子トーマス・フランシス・ハイランドが事業を引き継ぎ、オーストラリア国内で事業を拡大しました。

1950年代に入ると、ペンフォールズは消費者の嗜好の変化に対応し、スティルワイン（非発泡性ワイン）にビジネスの焦点を移します。この時期、pH測定技術を導入したレイ・ベックウィズ博士と、初代チーフワインメーカーのマックス・シューバートがペンフォールズの発展に重要な役割を果たしました。シューバートは1951年に、後にペンフォールズのアイコンとなる「グランジ」の前身を生み出しました。当初は市場で酷評されましたが、彼は強い信念を持って生産を続け、最終的には高い評価を得て成功を収めました。

ペンフォールズの長い歴史の中で、チーフワインメーカーはシューバートを含めて4名しかおらず、それぞれがペンフォールズの伝統を守りながら革新を追求してきました。2002年に就任した現チーフワインメーカーのピーター・ゲイゴは、デカンター誌から名誉ある「ホール・オブ・フェイム（マン・オブ・ザ・イヤー）」に選出されるなど、その実力と革新性が高く評価されています。

こうして、ペンフォールズは200年近い歴史の中で革新と品質の追求を続け、その結果、世界中で高い評価を得ています。

最も偉大なワイン「グランジ」をはじめ、ペンフォールズが手掛けるワインは世界中で高評価を獲得

ペンフォールズの代表的なワイン「グランジ」は、ワインスペクテーター誌の「20世紀における最も偉大なワイン12本」の1本に選出されるなど、世界的に高い評価を得ています。なかでも、「グランジ2008」は二大ワイン誌であるワイン・アドヴォケイト誌とワイン・スペクテーター誌の両誌から満点の100ポイントを獲得した唯一のオーストラリアワインです。このように「グランジ」は、その卓越した品質で不動の地位を築いています。

ペンフォールズの他のワインも高い評価を受けています。例えば、「死ぬまでに味わうべき100のワイン」に選ばれたBin60Aも、その深みのある味わいと品質で多くの賞を受賞しています。

さらにペンフォールズは、ワイン＆スピリッツ誌の「ワイナリー・オブ・ザ・イヤー」をこれまでに31回受賞し、ドリンクス・インターナショナル誌の「世界で最も称賛されるワインブランド」にも選出されるなど、オーストラリアを代表するワイナリーとして国内外で高い評価を得ています。

ペンフォールズが手掛けるワインは、その傑出した品質と革新によって、世界中のワイン愛好家や専門家から高く評価され続けています。

テロワールの特性を最も大切にするブドウ栽培

ペンフォールズは、環境保護と持続可能な農業の実践に力を入れており、化学肥料や農薬の使用を最小限に抑えています。また、有機農法を採用することで、土壌の健康を維持し、ブドウの純粋な味わいを引き出すことを目指しています。

ペンフォールズは、南オーストラリアの主要なワイン産地に多くのブドウ畑を所有またはリースを受け、マギル・エステート（アデレード近郊）、バロッサ・ヴァレー、アデレード・ヒルズ、マクラーレン・ヴェール、クナワラ、エデン・ヴァレーに代表的な畑があります。各地域のテロワール（地理的特性）を最大限に活かしながら、それぞれの場所に適したブドウ品種を栽培しています。たとえば、高地で冷涼なアデレード・ヒルズでは白ワイン用のブドウやピノ・ノワールを、地中海性気候のマクラーレン・ヴェールではシラーズやカベルネ・ソーヴィニヨンを栽培しています。また、クナワラのテラロッサ土壌はカベルネ・ソーヴィニヨンとシラーズの栽培に適しており、バロッサ・ヴァレーの古代からの土壌で育つブドウからは、多くの有名なワインが造られています。

このように、ペンフォールズは広大な土地の中で、各地域の特性を最大限に活かしたブドウ栽培を行い、高品質なワインを生産しています。その一貫した品質と革新によって、ペンフォールズは世界中のワイン愛好家や専門家から高く評価されています。

独自の醸造アプローチと卓越した技術を駆使した、最高品質のワイン造り

ペンフォールズのワイン造りは、「マルチ・リージョナル・ブレンド」という独自のアプローチを最大の特徴としています。同じ品種のブドウでも育つ畑によって香りや味わいに異なる個性が出ることから、ペンフォールズでは異なる畑のブドウを巧みにブレンドすることで、各ヴィンテージで一貫したスタイルと品質を維持しています。最も有名な「グランジ」を筆頭に、「ビン389カベルネ・シラーズ」や「グランファーザー・レア・トーニー」など、多くの銘柄がこのスタイルで造られています。

一方で、ペンフォールズは特定の畑や区画の個性を活かしたシングルヴィンヤードやシングルブロックのワインも手掛けています。アデレード近郊の歴史的な畑で造られる「マギル・エステート・シラーズ」や、樹齢100年超の古木から生まれる「カリムナ・ブロック42カベルネ・ソーヴィニヨン」はその代表例です。さらに、バロッサ・ヴァレーの力強さを表現した「RWTバロッサ・ヴァレー・シラーズ」や、クナワラの優雅さを反映した「ビン128クナワラ・シラーズ」など、地域の特性を活かしたワインも生産しています。

ペンフォールズの醸造プロセスは、部分的な樽発酵と18〜20ヶ月間のオーク樽熟成を特徴としています。部分的な樽発酵は果汁のフレッシュさと複雑な風味のバランスを、オーク樽熟成は豊かな香りとシルキーなタンニンを生み出します。厳格な品質管理は、果実の選別から醸造、熟成に至るまで徹底されています。

このように、ペンフォールズは独自の醸造アプローチと卓越した技術を駆使し、最高品質のワイン造りを行っています。その結果、世界中のワイン愛好家や専門家から高い評価を得て、オーストラリアを代表するワイナリーとしての地位を確立しています。