ケイジワイン

南アフリカ

南アフリカ・スワートランドで南ア初の日本人醸造家、佐藤圭史氏が手がけるCage Wine。飲食店経営を経て世界を巡り、A.A.バーデンホーストの後押しで創業。古樹ブッシュヴァインを灌漑なしで育て、野生酵母・全房発酵・古樽熟成で土地の個性を表現する今後も目が離せない注目の造り手。

南アフリカ初の日本人ワイン醸造家が造る、テロワールを映し出す最高品質のワイン

Cage Wineは、南アフリカ・スワートランドで初めて日本人がワイン造りを行うという前例のない挑戦から生まれたワイナリーです。醸造家の佐藤圭史氏は、「ワインは、その土地や人々、そして大地からの恵みを表現した一杯であるべき」という哲学のもと、スワートランドの個性を余すことなく表現したワインを造り続けています。わずか数年で南アフリカワイン界の権威ある格付け本『Platter’s Wine Guide』にて4年連続4つ星を獲得し、日本人醸造家として初めての快挙を成し遂げました。

ワインに魅了され、7年間のキャリアを捨てて世界の銘醸地を巡る旅へ

Cage Wineの生みの親である佐藤圭史氏は、アメリカのオレゴン大学で学生時代を過ごし、週末にはウィラメットヴァレーなどのワイナリーを巡る中でワインの魅力に惹かれていきました。帰国後、東京・渋谷神泉でオレゴンワインに特化したワインビストロ「Soyokaze」を7年にわたり経営し、シェフ、ソムリエとして研鑽を積みました。

しかし、自分の知識や経験の限界を感じた佐藤氏は、2016年に店を閉めることを決断。世界の銘醸地を巡る旅に出ます。ギリシア、クロアチア、イタリア、オーストリア、スイスを経由してフランスのシャンパーニュやブルゴーニュ、そして南アフリカへ。この旅の中で、南アフリカを代表する『Craven Wines』や『A.A. Badenhorst』のワインを飲んだ時の衝撃が忘れられず、佐藤氏の人生を大きく変えることになります。

運命的な出会いが南アフリカでのワイン造りをスタートさせる

旅の終わり、南アフリカのケープタウンで佐藤氏は運命的な出会いを果たします。南アフリカのワイン界を牽引する『A.A. Badenhorst』の当主アディ・バーデンホーストを訪ねた際、「何をしに来たのか?」と問われ、ダメもとで「ワインを造りに」と答えたところ、「じゃあここで造れ!」という言葉をもらったのです。

A.A. Badenhorstは毎年100名ほどの応募が来る人気ワイナリーですが、アディ氏は佐藤氏の人柄と情熱を一目で見抜きました。こうして2016年に飲食店を閉め、2017年には南アフリカ・スワートランドで自身の名を冠した『Cage Wine』のファースト・ヴィンテージを醸造することとなります。この無謀とも思える挑戦が、南アフリカ初の日本人ワインメーカーとしての第一歩となりました。

わずか数年で南アフリカワイン格付け『Platter’s Wine Guide』4年連続4つ星を獲得

Cage Wineのスタートは、アディ氏から貸してもらった区画でわずか1,000本のワインを造ることから始まりました。しかし、その品質は瞬く間に注目を集めます。2020年ヴィンテージが南アフリカワインのバイブルとも言える『Platter’s Wine Guide 2022』に初掲載され、2021年ヴィンテージではいきなり4つ星を獲得。その後も4年連続で4つ星を獲得し続け、全アイテムが4つ星以上という驚異的な評価を得ています。

この栄誉は日本人醸造家として初めての快挙であり、Cage Wineの卓越した品質が国際的に広く認められた証となりました。現在では生産量も着実に増加し、2020年には2,500本、2021年には8,000本、2022年には10,000本、そして2023年以降は15,000本以上を生産するまでに成長しています。

スワートランドの理想的なテロワールと持続可能な栽培へのこだわり

Cage Wineが拠点とするスワートランドは、南アフリカの中でも特に注目を集めるワイン産地です。かつては穀倉地帯として知られていましたが、近年では世界最古の土壌として名高い花崗岩質の砂地土壌や風化した頁岩(シェール)が、ブドウ栽培に理想的な環境を生み出すことが明らかになりました。

佐藤氏は、樹齢40年以上のブッシュ・ヴァイン(株仕立て)の区画を中心に栽培契約を結んでいます。ブッシュ・ヴァインは地中深くまで根を張るため、降雨量が500mmに満たない年もある乾燥した環境でも水や栄養をしっかり吸収でき、凝縮度の高い健全な果実を生み出します。基本的に灌漑を行わず、ブドウのポテンシャルを最大限に引き出す自然に寄り添った栽培を実践しています。

また、異なる区画のブドウをブレンドすることで、スワートランドというテロワールの多様性と個性をより豊かに表現することに注力しています。主な契約畑には、Langkloof Vineyard(ランクルーフ・ヴィンヤード)、Morellihi Vineyard(モレリヒ・ヴィンヤード)、Waterfall Vineyard(ヴォーターフォール・ヴィンヤード)などがあり、それぞれ異なる土壌と微気候が独自の個性を果実に与えています。

自然と向き合う丁寧な醸造プロセスでテロワールを純粋に表現

Cage Wineのワイン造りは、ブドウ本来の特徴を最大限に引き出すことに重点を置いています。収穫は最適なタイミングを慎重に見極め、すべて手摘みで丁寧に行うことで最高品質の果実を確保します。

醸造においては、自然な手法を徹底的に追求しています。収穫したブドウは一晩冷蔵室で落ち着かせた後、全房破砕し、プレスで搾汁。果汁を一晩寝かせて不純物を取り除いた後、500Lのフレンチオークの古樽に送り、野生酵母による自然発酵を待ちます。平均2日ほどで自発的に発酵が始まり、約2週間で主発酵が終了します。

特筆すべきは、全房使用率が100%という徹底ぶりです。全房発酵により、ワインに複雑さと深みのあるアロマ、そして豊かなテクスチャーがもたらされます。また、培養酵母や清澄剤は一切使用せず、フィルター処理も最小限に抑えることで、ブドウそのものの純粋な個性やテロワールがダイレクトに表現されます。

熟成には5年目以降のフレンチオークの古樽を使用し、シュナン・ブランが持つ酸とピュアな果実味を損なわないよう約10ヶ月かけてじっくりと熟成させます。このように極めて自然な醸造方法を採用することで、Cage Wineのワインはヴィンテージごとの気候や土壌の特性を繊細に反映した、唯一無二の個性を持つ仕上がりとなっています。

「Cage」に込められた感謝と哲学

ブランド名の「Cage」は、佐藤氏の留学時代の愛称に由来していますが、同時に深い意味が込められています。

  • 『C』 Cape の地に畏敬の念を込めて
  • 『A』 師匠である Adi に感謝の思いを込めて
  • 『G』 Gift ワインは自然からの贈り物
  • 『E』 Earth 大いなる大地・自然に畏敬の念を込めて

「ワインは、その土地や人々、そして大地からの恵みを表現した一杯であるべき」という佐藤氏の哲学が、すべての出会いとご縁への感謝とともにCage Wineのワインに注がれています。

南半球から北半球へ、さらなる挑戦を続ける醸造家

佐藤氏の挑戦は南アフリカにとどまりません。近年では北半球でもワイン造りに携わる準備を進めており、2024年には北海道・東川町の雪川醸造と協力し、ツヴァイゲルト種を用いた日本ワイン「Pero」を醸造しました。南半球と北半球を行き来しながら年間を通してワイン造りに情熱を注ぐ佐藤氏の姿勢は、ワインに対する真摯な愛情の表れと言えるでしょう。

現在の目標は50歳までに自分自身の畑を持つこと。1,000本から始まった無謀な挑戦は、今や世界中から注目される南アフリカワインの成功物語となり、日本のワイン業界にとっても誇るべき存在となっています。人気のため入手困難なCage Wineですが、その一本一本には佐藤氏の情熱とスワートランドの大地の恵みが詰まっています。

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