アタランギ

ATA RANGI
ニュージーランド

アタ・ランギは、自然との共生と伝統的な醸造手法を組み合わせることで、ニュージーランドのみならず世界で確固たる地位を築いているワイナリーです。

特にピノ・ノワールの評価が高く、世界中で「ニュージーランドのロマネ・コンティ」と称されています。

ロマネ・コンティをルーツに持つエイベル・クローンのブドウがもたらす深い風味、持続可能な農法で育まれた果実、そして全房発酵を採用した自然発酵がこのワイナリーのユニークな個性を支えています。

「ニュージーランドのロマネ・コンティ」と称される最高品質のピノ・ノワールを生産するワイナリー

アタ・ランギは、「ニュージーランドで最もブドウ栽培に適した土地」と評価された北島マーティンボローにおけるパイオニアとしてワイナリーを設立。この地の理想的なテロワールを余すことなく写し取るワイン造りが特徴です。特に、アタ・ランギのピノ・ノワールは国際的なコンクールで複数回トップに選ばれるなど、その卓越した品質が世界的に高く評価されています。

未開の地マーティンボローをピノ・ノワールの聖地にしたパイオニア

アタ・ランギは1980年、牧羊農家クライヴ・ペイトン氏とその家族によってニュージーランドのマーティンボローに設立されました。それまでこの地域では主に酪農業が営まれ、ブドウ栽培は行われていませんでした。しかし、1979年に行われた地質調査で、この土地が「ニュージーランドで最もブドウ栽培に適した場所」と評価されたことで、ワイン産地としての可能性が一気に開かれました。この結果を受け、ペイトン氏はワイナリー設立を速やかに決断し、ピノ・ノワールに特化することで発展を遂げました。「アタ・ランギ」はマオリ語で「新しい始まり」や「夜明けの空」を意味し、ワイン造りへの希望が込められています。

2005年には、彼の姪であるヘレン・マスターズ氏が醸造責任者に就任し、アタ・ランギの評価はさらに高まり続けています。アタ・ランギのピノ・ノワールは国際的なコンクールで複数回トップに選ばれ、世界中がマーティンボローのピノ・ノワール、そしてニュージーランドワインに注目するきっかけを作りました。アタ・ランギは、ニュージーランド産ピノ・ノワールの発展と成長における最も重要な貢献者として讃えられています。

ニュージーランドの先駆者的ワイナリーの国際的評価

アタ・ランギの卓越した品質は、数々の国際的な賞によって証明されています。権威あるインターナショナル・ワイン&スピリッツ・コンペティションでは、1995年、1996年、2001年に「最優秀ピノ・ノワール・トロフィー」を3度受賞し、これは同コンペティションの歴史の中でも類をみない快挙とされています。

この一連の受賞は、アタ・ランギのみならず、ニュージーランドワインの品質を広く世界に知らしめる契機となりました。さらに2010年には、首都ウェリントンで開催された国際的なワインイベント「インターナショナル・ピノ・ノワール」で「Tipuranga Teiteio Aotearoa賞」(「ニュージーランドの偉大な成長」を意味するマオリ語)を受賞しています。この栄誉ある賞により、アタ・ランギはニュージーランドのワイン産業において先駆的役割を果たしたことが国際的に広く認められました。

ニュージーランドにおける持続可能なワイン造りのリーダー的存在

アタ・ランギは、持続可能な農法を積極的に取り入れているニュージーランド屈指のワイナリーです。2014年に完全な有機認証を取得し、農薬や化学肥料を使用せず、自然環境との調和を大切にした栽培方法を実践しています。

具体的には、ブドウの枝や皮、酵母を利用したコンポストを畑に施し、栄養豊富な土壌を作り上げています。また、在来植物や外来種を植えることで多様な生態系を育み、自然との共生を図っています。

ピノ・ノワールの栽培には、ロマネ・コンティをルーツに持つエイブル・クローンと、フランスのディジョンにルーツを持つディジョン・クローンを使用しています。これらのクローンは、それぞれ特有の風味や特性を持ち、アタ・ランギの高品質なワイン造りに寄与しています。

さらに、ブドウ栽培に理想的なマーティンボローの冷涼な気候と水はけの良いシルト粘土質の土壌、加えて樹齢24年を超えるブドウ樹が、高品質なブドウを生み出す原動力となっています。

ブルゴーニュ地方と似た冷涼なマーティンボローの気候は、ブドウの成熟期間を長くし、糖分や酸、香り成分をバランスよく蓄えることを可能にします。加えて、春先に吹く強風がブドウの果実に刺激を与え、果皮が厚くなることで、果実内部に香り成分や糖分がより多く閉じ込められます。このような条件が重なることで、より凝縮感のある果実が育つことが、この地域の特徴となっています。

このようにアタ・ランギは自然環境との調和を何よりも大切にし、理想的なテロワールを最大限に生かした持続可能な栽培を通じて最高品質のブドウを生み出しています。

マーティンボローのテロワールを余すことなく引き出す丁寧なワイン造り

アタ・ランギのワイン造りは、自然の恵みを最大限に生かし、伝統的な手法を用いることで、ブドウ本来の特徴を引き出すことに重点を置いています。

収穫は、最適なタイミングを慎重に見極め、すべて手摘みで丁寧に行うことで最高品質の果実を確保しています。

発酵は、天然酵母を用いた自然発酵が基本で、特にピノ・ノワールでは全房発酵を積極的に取り入れています。全房発酵の割合は、ブドウのクローンや畑の特性に応じて20%から100%まで調整され、複雑で深みのある風味を引き出しています。

発酵後の熟成にはフレンチオークの新樽を35%使用し、11ヶ月間かけてじっくり行われます。この熟成過程で、ワインは豊かなボディと複雑なアロマを形成し、時間の経過とともにタンニンが柔らかくなることで口当たりが滑らかになります。特に赤ワインでは、フィルター処理を最小限に抑え、清澄剤や培養酵母を一切使わないため、ブドウそのものの純粋な個性やテロワールがよりダイレクトに表現されます。

このようにアタ・ランギでは、ヴィンテージごとの気候や土壌の特性をワインに細やかに反映させるために、極めて自然な醸造方法を採用しています。この徹底した自然との共生による醸造プロセスが、アタ・ランギのワインに一貫した高品質と個性をもたらしています。

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