ワイン テイスティング

ワインテイスティングのやり方とは?初心者向けに手順・グラスの選び方・専門用語まで紹介

「ワインの違いがよくわからない…」 「テイスティングって何をすればいいの?」 「上達のコツを知りたい!」

そんな疑問をお持ちの方に向けて、プロのソムリエがワインテイスティングの基本上達のポイントを分かりやすく解説します。

この記事では、初心者でも実践しやすいテイスティングの手順から、スキルを向上させるポイントまで、シンプルで実践的なアプローチを紹介します。

ワインの世界をもっと楽しみたい方は、ぜひ参考にしてください!

こんな方は、ぜひ本記事をご覧ください
  • ワインのテイスティング方法を基礎から学びたい初心者の方
  • ワインテイスティングを上達させたいワイン愛好家の方
  • 自宅やワインバーでテイスティングを楽しみたい方

この記事の監修ソムリエ

佐々木 健太

ホームワインアカデミープロデューサー

年間受講者数日本一を誇るワインスクール講師。21歳でソムリエ資格を取得。南フランスにある一つ星レストラン「Keisuke Matsushima」にて研鑽を積み、帰国後は南青山「L’AS」を経て、株式会社WINE TRAILを創業。第9回全日本最優秀ソムリエコンクールファイナリスト。現在はワイン初心者でもワインを楽しめるよう小瓶ワインのサブスク「Homewine(ホームワイン)」を初め、会員3,000人を誇る。

目次

ワインのテイスティングとは?

ワインテイスティングの基本

ワインテイスティングとは、ワインの特徴を分析し、品質や状態を評価するための技術のことです。 単に香りや味わいを楽しむだけでなく、ワインの個性を理解し、最適な状態での提供や評価を行うために活用されます。

ワインテイスティングには目的に応じて2種類の分類があります。

テイスティングの種類

それぞれの目的に応じたテイスティング方法を知ることで、適切なワインの選び方や楽しみ方を身につけることができます。

ホストテイスティングの手順や注意点については、次の章で詳しく解説します。

また、ワインの評価方法(外観・香り・味わいの分析)についても、実践的な手順を紹介します。

ホストテイスティングの手順とマナー

ホストテイスティングとは

ホストテイスティングとは、ソムリエがゲストへ提供する前に、ワインの品質に異常がないかを確認するためのテイスティングです。

レストランでは、ソムリエがホストに少量のワインを注ぎ、ホストが香りや味わいに異常がないかをチェックします。

ホストテイスティングの流れ

ホストテイスティングには一定の作法があり、敷居の高いレストランなどではゲスト側にもワインを確認してもらいます。

ゲストに求められるホストテイスティングの手順は以下の順番で進めていきます。

流れ内容
①ラベルの確認注文したワインと一致しているかチェック
②抜栓(ワインの開封)コルクの状態を確認し、カビや異臭がないかをチェック
③外観のチェックワインが濁っていないか、沈殿物の有無を確認
④香りのチェックコルク臭(ブショネ)や酸化臭がないかを確認
⑤味わいのチェック好き嫌いではなく、味に異常がないかを確認

もし異常があった場合は、ソムリエやお店のスタッフに伝え、交換を相談することも可能です。

しかし、ワインの味わいが好みでなかったからワインを変更して欲しいというのはマナー違反になります。

あくまでホストテイスティングは、ゲストに最高の状態のワインを提供するために不可欠なプロセスとして理解するのが正しいです。

ワインを評価するためのテイスティング

ワインを評価するためのテイスティング

評価のためのテイスティングとは、ワインの外観・香り・味わいを分析し、その品質や個性を理解するための方法です。

外観・香り・味わいの3つの要素を評価することで、ワインの産地や品種、熟成の状態を判断する手がかりになります。

外観のチェックポイント

ワインの外観は、 色調の濃淡、清澄度、粘性 の3つのポイントで評価します。

項目内容
色調濃淡ワインの色合いを確認する。産地や品種、熟成度によって違いがあり、赤ワインならルビーやガーネット、白ワインならレモンイエローやゴールドなどがある。
清澄度ワインの透明度を確認。濁りがあるかどうかを見ることで、フィルター処理の有無や、ワインの状態(酸化や劣化)を判断する手がかりになる。
粘性スワリング(グラスを軽く回す)した際に、グラスの壁に付着したワインの落ちる速度を確認。落ちるスピードが遅いほど、アルコール度数や糖度が高いことが多い。

香りのチェックポイント

ワインの香りは、 果実やスパイス、熟成による香りなど、様々な香りを取ることができます。

項目内容
ファーストノーズグラスに注いですぐの香りを確認。ワインの第一印象を捉え、フルーツや花、スパイスなどの要素をチェック。香りが控えめか、強いかも判断する。
セカンドノーズスワリング後に香りを再確認。空気と触れることで香りが開き、熟成の影響(フレッシュな香りか、熟成感があるか)も評価できる。
香りの要素と強さを分析フルーツ、花、スパイスなどの香りの種類を確認し、香りが開いているか控えめかを判断。

また、ワインの香りを表現する言葉は自分の語彙力や学習量に応じて増えていきます。

よく使われる香りの表現

赤ワインカシス、ブラックベリー、ブルーベリー、ラズベリー、チェリー、プラム、イチジク、スミレ、バラ、スパイス、ブラックペッパー、シナモン、ナツメグ、タバコ、革、土、キノコ、樹木、ハーブ、ミント
白ワインル、マンゴー、メロン、ハチミツ、アカシア、ジャスミン、白い花、ハーブ、青草、火打石、鉱物、バター、ナッツ

是非、ワインの香りを評価する際は使ってみてくださいね!

味わいのチェックポイント

味わいの評価では、 甘味→酸味→渋み(タンニン)→アルコール度数→余韻の長さの順に、5項目の強さを確認し、バランスの良いワインかどうかを確認しましょう。

流れ内容
①甘味ワインの残糖量やアルコール度数を確認。アルコール度数が高いと甘く感じることがあり、辛口のワインでもわずかに甘味を感じることがある。
②酸味酸度の高さを評価し、バランスを確認。フレッシュな果実のような酸味から、まろやかな酸まで幅広く、ワインの爽やかさや熟成度に影響を与える。
③渋み(タンニン)赤ワインに含まれる渋み成分(タンニン)の強さや質を評価。タンニンが穏やかで滑らかなら飲みやすく、強い場合は熟成によって変化することもある。
④アルコール度数ワインのアルコール度数を確認。12%未満は低い、12%〜14%は中程度、14%以上は高いとされる。アルコールが強いとボディの厚みを感じやすくなる。
⑤余韻の長さワインの後味がどれくらい続くかを確認。短い場合はスッキリとしたワイン、長い場合は重厚感や複雑さを持つワインの可能性が高い。

味わいを正しく感じ取るためには、ワインを口に含んだ後、口中全体にワインを行き届かせることが大切です。

舌の上だけにワインを乗せて飲み込むのではなく、歯茎や頬にもワインを触れさせてワインの特徴を掴むとより正確なワインの評価ができるようになるでしょう。

余韻の長さも含めてしっかりと味わってみてください!

ワインテイスティングを始めるための準備

ワインテイスティングを楽しむためには、 適切な道具をそろえることも重要です。グラスが異なるだけで、ワインの香りや味わいが全く変わると言ったこともあります。

ここでは、テイスティングに必要なアイテムを紹介します。

テイスティングに必要な道具

【初心者でも集められるアイテム】

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名称用途優先度ソムリエのおすすめ

#引用:Amazon
ワイングラス
ワインの香りや味わいを最大限に引き出す★★★リーデル製グラス
万能型が一つあると便利。

#引用:楽天市場
ワインオープナー
(ソムリエナイフ)
ワインの抜栓★★★プルタップス製ダブルアクションソムリエナイフ
初心者でも使いやすく、スムーズに抜栓できる。

#引用:Amazon
白いトーション
(クロス)
グラスの水滴を拭く、外観の確認時に背景として使用★★リーデル製トーション
グラスの拭き上げにも適している。

#引用:DAISO
吐器(とき)
ワインを飲まずに吐き出すための容器100円均一の紙コップや小型カップで代用可

#引用:IOS
メモ帳・
テイスティングシート
ワインの外観・香り・味わいを記録し、後で比較Vivino(ワイン評価アプリ)もおすすめ

#引用:Amazon
ワインセラー
適温でワインを保存するための冷却機器★★ペルチェ方式のワインセラー
冷蔵庫では冷えすぎるため、適切な温度管理が可能。音と振動が少ないのもメリット。

ワインテイスティングを行う際に揃えておきたいアイテムをまとめました。

初心者の方も、必要なものを確認し、準備を整えてテイスティングを楽しみましょう!

上級者向けワイングラスの選び方

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名称用途優先度ソムリエのおすすめ

万能型グラス
赤・白ワインどちらにも対応★★★リーデル オヴァチュア
汎用性が高く初心者にもおすすめ。

リースリング型グラス
白ワインや軽めの赤ワインの酸味を引き立てる★★リーデル ヴェリタス リースリング/ジンファンデル

シャルドネ型グラス
樽熟成シャルドネの香りを最大限に引き出す★★リーデル ヴェリタス オークド・シャルドネ

ピノ・ノワール型グラス
華やかな香りと繊細な味わいを楽しむ★★リーデル ヴェリタス ピノ・ノワール

カベルネ型グラス
力強い赤ワインのタンニンをまろやかに感じさせる★★リーデル ヴェリタス カベルネ・メルロー
※画像はイメージです

ワイングラスの形状はワインの香りや味わいに大きな影響を与えます。

品種ごとに適したグラスを使用することで、ワインの個性をより引き出すことができます。

もし一つしか購入しない場合は、万能型がおすすめです。

テイスティングの上達方法

ワインのテイスティングは、知識実践を積み重ねることで確実に上達します。

ここでは、ワインテイスティングの上達に欠かせない2つのステップをご紹介します!

Step.1 基礎を学ぶ

まずは、テイスティングを含めた、ワインの基本を理解することが重要です。

ここでは、ワインの基礎知識を学ぶためにおすすめの書籍やYoutube、その他のサービスを紹介します。

書籍・漫画で学ぶ
動画やサイトで学ぶ

ワインの基本を押さえたい方はコチラの記事をチェック!

Step.2 たくさんワインを飲んで評価する

ワインのテイスティングを上達させるには、異なる産地や品種、ヴィンテージのワインを比較しながら飲むことが重要です。

多くのワインを試すことで、味わいの違いや特徴を理解しやすくなり、自分の好みのワインを見つける手助けにもなります。

ここでは、ワインテイスティングを楽しみながら学べるおすすめのテイスティングスポットを紹介します。

おすすめのテイスティングスポット

ワインのテイスティングは、環境によって体験が大きく変わります。

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場所特徴ソムリエおすすめ
自宅自分のペースでテイスティングができる。ワインの温度やグラスの種類も自由に選べるため、じっくりと味わいを比較しながら学ぶのに最適。市販のテイスティングセットを活用すると、異なる品種や産地を手軽に試せる。【テイスティングセット】
ヴィノテラス(50㏄の小瓶のセット)
アカデミー・デュ・ヴァン(資格向け)
ホームワイン(資格向け)
ワインバープロのソムリエのアドバイスを受けながらテイスティングができる。グラス単位でさまざまなワインを注文できるため、初心者でも気軽に試しやすい。ワインリストが豊富な店舗を選ぶことで、より幅広い種類を楽しめる。【テイスティングが楽しめる】
恵比寿 wine@EBISU
恵比寿 ワインマーケット
赤坂 ノムノ赤坂
ワイン会一度に多くのワインを試せるため、産地や品種ごとの違いを比較しやすい。ワイン好きが集まる場なので、意見を交換しながら楽しむことができ、新たな発見や学びの機会が広がる。テーマが決まっている会に参加すると、特定の品種や地域に関する知識を深められる。【ワイン会/イベント】
全国 ピーロートジャパン
ワインスクール レコール・デュ・ヴァン
山梨県 シャトー勝沼

自分に合ったスタイルを見つけ、さまざまな方法でワインを試してみましょう。

テイスティングをより効果的にするポイント

  1. 比較しながら飲む
    • 単体で飲むよりも、異なるワインを並べて比較することで、それぞれの特徴がより明確になります。
    • 例:カリフォルニア産とボルドー産のカベルネ・ソーヴィニヨンワインを飲み比べる。
  2. メモを取る
    • ワインの名前や品種、産地だけでなく、香りや味わいの印象を記録すると、違いを明確に覚えられるようになります。
    • アプリ(Vivinoなど)を活用するのも便利です。
  3. ワインの適温を意識する
    • ワインの適温での提供は、正確なテイスティングに不可欠。冷えすぎた白ワインや温まりすぎた赤ワインは、本来の風味を損なうことがあるため、適温でテイスティングすることを心掛けましょう。

ワインテイスティングは、経験を積めば積むほど味覚が研ぎ澄まされ、ワインの違いをより明確に感じ取れるようになります。

自宅で気軽に試すのも良いですし、ワインバーや試飲会などを活用すれば新しい発見や出会いが増え、より深くワインを楽しめるでしょう。

ぜひ、自分に合った方法でワインを飲み比べながら、テイスティングのスキルを磨いてみてください!

まとめ

ワインテイスティングは、ワインの個性を理解し、より深く楽しむための重要なステップです。本記事では、初心者の方でも実践しやすいテイスティングの基本から、スキルアップの方法まで詳しく解説しました。

ワインテイスティングのポイント
  • テイスティングには2種類ある
  • 外観・香り・味わいの3つの要素を意識する
  • テイスティングに必要な道具を揃える
  • 実際にたくさんのワインを飲んで評価する

ワインテイスティングのスキルは、経験を積むことで確実に向上します。最初は違いが分からなくても、続けることで少しずつ味や香りの違いを感じ取れるようになるでしょう。

ぜひ、今回学んだテイスティング方法を試しながら、自分の好きなワインを見つけ、ワインの世界をより一層楽しんでください!

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