ワインエキスパートを独学で取得することは可能?勉強時間や費用、おすすめの参考書を解説

ワインエキスパートを独学で取得することは可能?勉強時間や費用、おすすめの参考書を解説

ワインエキスパート資格は、ワイン愛好家向けの専門資格として人気が高まっています。

近年はYouTubeや参考書が充実し、独学でも学びやすくなっていますが、それでも合格にはしっかりとした対策が必要です。

本記事では、ワインエキスパートを独学で取得する場合に必要な勉強時間や費用、効率的な学習方法を詳しく解説します。

一次試験(筆記)二次試験(テイスティング)に分けて、それぞれの対策について具体的に紹介していますので、独学を検討している方はぜひ参考にしてください。

この記事の監修ソムリエ

佐々木 健太

ホームワインアカデミープロデューサー

年間受講者数日本一を誇るワインスクール講師。21歳でソムリエ資格を取得。南フランスにある一つ星レストラン「Keisuke Matsushima」にて研鑽を積み、帰国後は南青山「L’AS」を経て、株式会社WINE TRAILを創業。第9回全日本最優秀ソムリエコンクールファイナリスト。現在はワイン初心者でもワインを楽しめるよう小瓶ワインのサブスク「Homewine(ホームワイン)」を初め、会員3,000人を誇る。

目次

ワインエキスパートを独学で取得することはできるのか?

ワインエキスパートを独学で取得することはできるのか?

結論から言うと、ワインエキスパート資格は独学でも取得可能です。

しかし、合格には一定の前提条件があり、すべての人が独学に適しているわけではありません。

  • 普段ワインを飲まない
  • ブドウ品種の違いが分からない
  • 有名産地の名前を知らない

といった状態では、筆記の問題が出題されるソムリエ教本を読み進めること自体が難しくなります。

ここでは、ワインエキスパートを独学で目指すための適性について、具体的なポイントを解説します。

ワインエキスパートを独学で目指せる人の特徴

独学に向いている人の特徴
  • 社会人になってから資格試験を経験し、試験勉強に慣れている
  • 試験日から逆算してスケジュール管理ができ、自学自習の基盤がある
  • 主要ブドウ品種や産地のワインを飲んだことがあり、ワインリストを読める
  • 一次試験に向けて、3月~8月まで毎月60時間くらいは勉強時間を確保できる

これらの条件を満たしている人は、独学でも効率よく学習を進めやすく、合格の可能性が高いでしょう。

特に試験勉強のスケジュール管理は非常に重要です。なかなか理解できない項目に対して時間を割き過ぎてしまうと他に学ばなければならない多くの知識を学習する時間を失ってしまいます。

ワインエキスパート資格に独学で合格するためには幅広い知識を身につける必要があるため、勉強時間の管理や効率的な学習をすることに慣れている方や得意な方は独学でも試験合格を目指せるのではないでしょうか。

ワインスクールに通ったほうがいい人の特徴

ワインスクールに通ったほうがいい人の特徴
  • ブドウ品種や産地などワインの基礎知識がほとんどない
  • 試験対策の勉強の方法が分からない
  • 学習計画を立ててもなかなか実行・継続ができない
  • テイスティングの経験がない

ワインエキスパート試験は、一次試験(筆記)二次試験(テイスティング)の両方を突破する必要があるため、基礎知識や学習習慣がない状態で半年以上独学を進めるのは難易度が非常に高いです。

特に一次試験対策では世界各国のワイン産地を巡る形で知識を付けていくため、一定の地理に関する知識や歴史・外国文化の知見があることが求めらてきます。

また二次試験対策ではワインに関する様々な評価を自身で行なっていく実技試験なため、ワインをテイスティングして意見を交わす経験などがない方はさらに学習難易度が上がるでしょう。

このような場合は、ワインスクールを活用することで、体系的に学びながら効率よく合格を目指せます。

ワインエキスパートを独学で合格するにはどのくらい時間がかかるの?

独学で勉強するのにかかる時間は?

ワインエキスパート資格の勉強時間は、個人の知識や学習経験によって大きく異なります。
一般的に、初学者の場合は400時間程度が目安とされています。

試験は一次試験(筆記)二次試験(テイスティング)に分かれており、それぞれ求められるスキルが異なるため、勉強の進め方や費用も変わってきます。

ここでは、一次試験、二次試験それぞれの勉強時間、必要な費用そしておすすめの参考書を紹介します。

一次試験突破に必要な独学時間と費用、おすすめの参考書

一次試験は約900ページのソムリエ教本全体から、ワインの歴史、産地、品種、醸造方法、法律など幅広い知識が出題されます。

試験形式はパソコンを使って回答するCBT形式を採用した筆記試験で行われます。

基本的には選択式の問題で出題されるため、暗記が中心となります。

一次試験の勉強時間の目安

勉強時間の目安:300時間程度

過去に資格試験の勉強経験がある場合は、200時間ほどで合格するケースももちろんありますが、暗記が得意でない方では、400時間以上の学習時間が必要になる場合もあります。

普段、資格試験の勉強やスキルアップ学習をする際に、効率的に学習ができると感じている方であれば独学で学習する選択肢を選んでも良いでしょう。

一次試験対策の費用

項目費用目安備考
ソムリエ教本無料試験代に含まれ試験申し込み後に送付される
問題集・参考書5,000円〜10,000円基礎知識、重要ポイントを整理、するために必須
過去問題集・模擬試験問題集5,000円〜10,000円本番形式の演習に役立つ
合計費用10,000円〜20,000円

試験対策には、教本に加えて問題集や過去問の活用が重要になります。

独学の場合、教本と問題集だけで学習することになりますが、試験範囲が広いため、効率的に情報を整理できる参考書の活用が不可欠です。

おすすめの参考書

二次試験突破に必要な独学時間と費用、おすすめの参考書

二次試験は、赤・白ワイン各2種類その他のお酒1種類(マデイラ、ヴェルモット、麦焼酎など)が出題され、外観・香り・味わいを分析し、選択肢から適切な回答を選ぶ形式で行われます。

選択式ですが、専門的な香りや味わいの用語を正しく使えるかがポイントです。ワインの経験が浅い人は、用語の習得と実践練習が不可欠となります。

二次試験の勉強時間の目安

勉強時間の目安:80時間程度

二次試験対策では前述した一次試験対策よりも学習時間が少なくなる場合が多いです。テイスティング経験が豊富な人ほど、実践練習の時間が少なくても対応できる可能性があります。

一方で、初心者の方は香りや味わいの違いと100以上の専門用語を理解するのに、繰り返しの反復練習が必要な為、100時間以上の学習が必要になることもあります。

二次試験対策の費用

テイスティング用ワイン代:8万円〜12万円

独学で対策する場合、個別に様々な種類の750mlのワインを購入する必要があり、費用が高くなりがちです。

また、750mlのボトルを何本も飲みきれない方が世界各国のワインを取り揃えているワインバーへ足を運び、色々なワインを注文している場面を時々見かけます。

適量でワインを飲める利点はありますが、レストラン価格でワインを頼むことになり、気づいたらお金がかかっていたということも多々あります。

そのため、上記の理由から独学で一次試験を突破し、二次試験のみワインスクールの講座を利用する人も多いです。

おすすめの参考書

独学とワインスクールに通った場合を比較

ここまで読んで、「独学でも意外とお金がかかる」と感じた方も多いのではないでしょうか。

最後に、独学とワインスクールをそれぞれの項目で比較し、それぞれの特徴を整理しました。

項目独学ワインスクール
費用8万円〜13万円程度
(教本・問題集・ワイン代)
15万円〜30万円以上
(授業料・テイスティングワイン代)
学習計画自分のペースで自由に学べるカリキュラムに沿って計画的に学べる
テイスティング環境自分でワインを用意する必要がある試験で出題されやすいワインを体系的に学べる
サポート体制なし(疑問点は自分で解決)講師や仲間からアドバイスを受けられる
モチベーション維持継続が難しく、挫折しやすい受験仲間ができるため、継続しやすい
合格までの効率一次試験は独学でも対策可能、二次試験は難易度が高い最短ルートで合格を目指せる
ストレート合格率10%〜20%(目安)60〜70%(目安)

独学は人によっては費用を抑えて自分のペースで学べる反面、テイスティング環境やモチベーション維持が課題になります。一方、ワインスクールは合格までの最短ルートを学べるものの、費用がかかる点がデメリットです。

自分の学習スタイルや予算に合った方法を選び、合格を勝ち取りましょう。

まとめ

ワインエキスパート試験は、独学でも合格可能な資格です。

しかし、

  • 自己管理能力が高い人
  • 試験勉強の経験が豊富な人
  • ワインに詳しい知人がいる人

などでない限り、独学での合格はなかなかハードルが高いのも事実です。

特に、一次試験(筆記)は暗記中心のため独学でも対策しやすいですが、二次試験(テイスティング)は実践経験が必要なため、ワインの種類をそろえるだけでも費用がかさむという問題があります。
最終的に「独学で頑張ったけれど、二次試験のためにワインスクールに通うことになった…」というケースも少なくありません。

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