ソムリエ 二次試験

【2025年版】ソムリエ・ワインエキスパート二次試験の出題傾向と合格対策

ソムリエ・ワインエキスパートの二次試験は、一次試験を通過した受験者のみが挑戦できる実技試験であり、ワインのテイスティング能力が問われます。

「試験は難しいのか?簡単なのか?」「どんなワインが出題されるのか?」と疑問を持つ方も多いでしょう。

本記事では、過去10年の出題傾向をもとに、2024年の試験分析合格に向けた具体的な対策を解説します。  

最短合格を目指す学習法頻出ワインの分析も紹介しているので、ぜひ活用してください!

こんな方は、ぜひ本記事をご覧ください
  • 2025年にソムリエ・ワインエキスパート試験の二次試験を受験予定の方
  • 独学で二次試験対策を進めたい方
  • 試験の難易度や合格率、勉強法が気になる方

この記事の監修ソムリエ

佐々木 健太

ホームワインアカデミープロデューサー

年間受講者数日本一を誇るワインスクール講師。21歳でソムリエ資格を取得。南フランスにある一つ星レストラン「Keisuke Matsushima」にて研鑽を積み、帰国後は南青山「L’AS」を経て、株式会社WINE TRAILを創業。第9回全日本最優秀ソムリエコンクールファイナリスト。現在はワイン初心者でもワインを楽しめるよう小瓶ワインのサブスク「Homewine(ホームワイン)」を初め、会員3,000人を誇る。

目次

ソムリエ・ワインエキスパート二次試験の概要

ソムリエ・ワインエキスパート二次試験

ソムリエ・ワインエキスパートの二次試験は、ブラインドテイスティングを中心に、ワインの外観・香り・味わいを評価し、品種や産地、アルコールの種類を推測する試験です。

二次試験の内容

試験出題内容
ソムリエスティルワイン*3種 + その他のアルコール飲料2種
ワインエキスパートスティルワイン*4種 + その他のアルコール飲料1種
*発泡性ではないワイン

ワインエキスパート・ソムリエ試験ともに5種類のお酒が出題されますが、ソムリエ試験ではワインが3種類、ワイン以外の酒類(泡盛やポートワインなど)が2種類出題されるのが特徴です。

2025年の日程・合格発表

  • 試験日2025年10月6日(月)予定
  • 合格発表:試験日の約2週間後に、ソムリエ協会の公式サイトで発表

受験者はソムリエ協会の指定する会場で試験を受けます。

合格率の推移

二次試験の合格率は、約60%〜90%と比較的高めに設定されていますが、不合格になる人も一定数存在します。

年度2020年2021年2022年2023年2024年
ワインエキスパート73.0%70.2%57.7%88.3%90.9%
ソムリエ85.3%85.1%77.9%75.6%92.0%

ソムリエ試験の合格率は毎年80%以上を維持し、ワインエキスパート試験は70%前後で推移しています。特に、一次試験の難易度が高い年は、二次試験の合格率が上昇する傾向があります。

また、相対評価の仕組みにより、全体の出来具合によって合格ラインが調整されることも影響しています。

【なぜ二次試験の合格率は高いの?】
  1. 相対評価が適用される
    • 一次試験は絶対評価(一定の合格点が必要)ですが、二次試験は相対評価で合格ラインが調整されます。
    • これにより、全体の出来具合に応じて合格者数が確保されやすいとされています。
  2. 複数の正解が存在する
    • テイスティング試験では、香りや味わいの評価に絶対的な正解があるわけではございません。
    • 近い解答でも正解として認められるため、慎重に回答すれば高得点を狙えます。

しかし、油断すると不合格になることもあるため、しっかりとした対策が必要です。

二次試験の出題傾向と過去の出題ワイン

ソムリエ・ワインエキスパートの二次試験では、特定のブドウ品種や産地が頻繁に出題される傾向があります。過去の出題データを分析することで、試験の出題パターンを把握し、効率的に学習を進めることが可能です。

特に、赤ワイン・白ワインともに特定の品種が繰り返し出題される傾向があり、対策の優先度を明確にすることが合格への近道となります。

ソムリエの二次試験の出題傾向

【過去10年の出題ワイン一覧】

項目/年度2014年2015年2016年2017年2018年2019年2020年2021年2022年2023年2024年
ワイン1シャルドネソーヴィニョン・ブランシャルドネ甲州トロンテスアリゴテソーヴィニョン・ブランシャルドネシャルドネソーヴィニョン・ブランリースリング
アメリカフランスフランス日本アルゼンチンフランスフランスフランスフランスフランスドイツ
ワイン2カベルネ・ソーヴィニョンリースリングシラーズカベルネ・ソーヴィニョンリースリングカベルネ・ソーヴィニョンシャルドネサンジョヴェーゼリースリングマルベックソーヴィニヨンブラン
オーストラリアフランスオーストラリアオーストラリアフランスアメリカ日本イタリアドイツアルゼンチンフランス
ワイン3ピノ・ノワールピノ・ノワールマスカット・ベーリーAサンジョヴェーゼシラーズテンプラニーリョネッビオーロメルロシラーズメルロシラーズ
フランスニュージーランド日本イタリアオーストラリアスペインイタリアアメリカオーストラリア日本オーストラリア
酒類1ドライ・ヴェルモットジンマデイラオー・ド・ヴィー・ド・キルシュマデイラ梅酒ホワイト・ポートラムピスコドライ・ベルモット泡盛
酒類2カルヴァドススイート・ヴェルモットアルマニャックドランブイカルヴァドスジンウォッカヴェルモットイエガーマイスタースコッチウイスキートウニーポート

ソムリエ試験の二次試験では、毎年白ワイン2種+赤ワイン1種、または白ワイン1種+赤ワイン2種のパターンで出題される傾向があります。

また、ワイン以外の酒類として、ジン・ポートワイン・泡盛・ウイスキーなどの酒類が出題されることが多いのも特徴です。

ワインごとの頻出品種
  • 白ワイン:シャルドネ(6回)、ソーヴィニヨン・ブラン(5回)、リースリング(4回)
  • 赤ワイン:カベルネ・ソーヴィニヨン(4回)、シラー(シラーズ)(4回)、ピノ・ノワール(3回)、サンジョベーゼ(3回)

ワインエキスパートの二次試験の出題傾向

【過去10年の出題ワイン一覧】

項目/年度2014年2015年2016年2017年2018年2019年2020年2021年2022年2023年2024年
ワイン1リースリングリースリングリースリングソーヴィニョン・ブランリースリングソーヴィニョン・ブラントロンテスリースリングソーヴィニョン・ブランソーヴィニョン・ブランミュスカデ
ドイツオーストラリアフランスチリドイツニュージーランドアルゼンチンフランスニュージーランドチリフランス
ワイン2ソーヴィニョン・ブランシャルドネシャルドネミュスカデシャルドネ甲州シャルドネヴィオニエ甲州リースリングシャルドネ
ニュージーランドフランスアメリカフランスオーストラリア日本フランスフランス日本オーストラリア日本
ワイン3ピノ・ノワールシラーシラーズガメイメルロサンジョヴェーゼカベルネ・フランテンプラニーリョカベルネ・ソーヴィニョングルナッシュカベルネ・ソーヴィニヨン
アメリカフランスオーストラリアフランス日本イタリアフランススペインアメリカフランスアメリカ
ワイン4シラーカベルネ・ソーヴィニョンテンプラニーリョマルベックグルナッシュカベルネ・ソーヴィニョンピノ・ノワールカベルネ・ソーヴィニョンシラーテンプラニーリョサンジョベーゼ
フランスアメリカスペインアルゼンチンフランスオーストラリアニュージーランドチリフランススペインイタリア
酒類1シングルモルト・ウイスキーコニャック泡盛サンブーカベネディクティン紹興酒ラムテキーラオー・ド・ヴィー・ド・キルシュジンバーボンウイスキー

ワインエキスパート試験の二次試験では、ソムリエ試験よりも出題ワインの種類が多く、4種類のワインが供出されるのが特徴です。

また、カベルネ・ソーヴィニヨンとリースリングの出題割合が高い点がソムリエ試験との大きな違いです。

ワインごとの頻出品種
  • 白ワイン:リースリング(6回)、シャルドネ(5回)、ソーヴィニョン・ブラン(4回)
  • 赤ワイン:カベルネ・ソーヴィニヨン(5回)、シラー(シラーズ)(4回)、ピノ・ノワール(3回)

ソムリエ試験と比較すると、ワインエキスパート試験ではカベルネ・ソーヴィニヨンやリースリングの出題割合が若干高い傾向がありますが、大まかな出題傾向はほぼ共通しています。

酒類の出題傾向も一定のパターンがあるため、事前の知識をしっかり身につけることが合格への鍵となります。

二次試験合格の具体的な戦略

二次試験の出題傾向

ソムリエ・ワインエキスパート二次試験では、出題される品種や産地の傾向を把握することで、効率的に学習を進めることができます。

しかし、どの項目に重点を置くかによって合格へのスピードが大きく変わるため、試験の配点バランスを理解し、得点しやすい部分を優先的に学習することが重要です。

二次試験で得点しやすい項目の攻略法

二次試験では、以下のように「外観」「香り」「味わい」が高配点を占めています。

【2023・2024年 ソムリエ・ワインエキスパート試験 配点割合】

項目ソムリエワインエキスパート
外観20%20%
香り30%30%
味わい17.50%17.50%
収穫年5%5%
生産地7.50%7.50%
主なブドウ品種12.50%12.50%
二次試験の攻略ポイント
  • 合格ラインの正答率70%以上を目指す
  • 「外観」「香り」「味わい」の配点が70%以上を占めるため、重点的にトレーニング
  • 「収穫年」は若い白ワインなら「受験年度-2年」で予想しておく
  • 「生産地」「ブドウ品種」については完全に正解を狙わず、選択肢から消去法でアプローチ
  • 特に香りと味わいの特徴を的確に把握し、正しい選択肢を導く力を鍛える

【2025年版】ソムリエ・ワインエキスパート二次試験の対策方法

効率的な攻略法

具体的なワインの出題傾向や配点の特徴を理解したら、次は実際の学習方法に落とし込みましょう。

ここでは、白ワイン・赤ワイン・その他の酒類ごとの対策方法を紹介します。

ポイント
  • 「外観」「香り」「味わい」の3つを徹底的に鍛える
  • 産地ごとの違いを比較テイスティングで体感する
  • 試験形式での練習を繰り返し、精度を上げる

白ワインの攻略法

二次試験の白ワインでは、シャルドネ・リースリング・ソーヴィニヨン・ブランの3品種が頻出しています。

これらのワインは産地ごとに特徴が異なるため、比較テイスティングすることで違いを掴むことが重要です。

白ワインの品種ごとの特性

品種産地比較のポイント
シャルドネ冷涼産地(フランスブルゴーニュ地方シャブリ地区)と温暖産地(アメリカカルフォルニア州、オーストラリア)の違いを比較
リースリングドイツ、フランスアルザス地方、オーストラリアのリースリングを飲み比べて色調の濃さ、香りの強さ、甘辛度、酸味、アルコール度数、の違いを把握
ソーヴィニヨン・ブラン単一品種で造られるフランスロワール地方とニュージーランド、フランスボルドーのセミヨンをブレンドし樽熟成スタイルの違いを比較

メモなどを取りつつ、産地の違いを比較テイスティングしてみてください。

赤ワインの攻略法

二次試験の赤ワインでは、カベルネ・ソーヴィニヨン、シラー(シラーズ)、ピノ・ノワールの3品種が頻出しています。

特にタンニンや酸の強さを意識しながら比較することが重要です。

赤ワインの品種ごとの特性

品種産地比較のポイント
カベルネ・ソーヴィニヨンボルドー vs カリフォルニア vs オーストラリア
シラー(シラーズ)フランス・ローヌ vs オーストラリア
ピノ・ノワールブルゴーニュ vs ニュージーランド vs オレゴン

異なる産地の同じ品種を用意し、色調・香り・味わいを比較しましょう。

その他の酒類の対策

二次試験では、ワイン以外の酒類も出題されるため、基本的な特徴を押さえておくことが重要です

特に以下の酒類は出題頻度が高いため、重点的に学習しましょう。

頻出の酒類リスト
  • ジン(ボタニカルな香り、40%前後)
  • ヴェルモット(香草・スパイスの風味)
  • カルヴァドス(リンゴの香り、樽熟成のニュアンス)
  • ポートワイン・マデイラ(酸化熟成、甘味と酸味のバランス)
  • ラム(サトウキビ由来、アルコール度数40%前後)

試験では50~70種類程度の酒類から出題されるため、効率よく覚えるために「色調」と「アルコール度数」を基準にグループ分けをすると、識別しやすくなります。

色調・アルコール度数による分類
  • 色調:無色/褐色/カラフル(白・緑・赤など)
  • アルコール度数:25度以下/40度以上

試験での選択肢対策

その他の酒類は、4~5種類の選択肢から選択する形式で出題されるため、確実に不正解を除外するスキルを身につけることで正解率を上げることができます。

例:酒類の分類と特徴
  • ジン(アルコール度数40%)
    → 無色 × 40度以上のグループ + ボタニカル(ハーブ)の香り
  • マデイラワイン(アルコール度数18%前後)
    → 褐色 × 25%以下のグループ + 酸化熟成によるナッツの香りと酸味の高さが特徴

その他の酒類の対策ポイント

  • 色調×アルコール度数(高低)の違いでグループ分けをする
  • 過去出題されたお酒と焼酎(芋、米、麦、泡盛)の違いを理解する
  • お酒ごとの香りや味わいの特徴を理解する
  • アルコール度数や味わいが強いため、ワインの後にテイスティングをする
  • ワインスクールの二次試験対策を受講し、その他のお酒一覧情報を入手する
  • ウイスキー(バーボン・スコッチ)の原材料の違いによる香りの違いを把握

特にラムやヴェルモットなどは、似たような酒類と間違えやすいため、実際に試飲したり香りを確かめながら学習することで記憶に定着しやすくなります。

まとめ

ソムリエ・ワインエキスパート二次試験は、合格率70%以上と比較的高いものの、しっかりとした準備が必要です。

本記事では、頻出のワインや得点配分をもとに、最短で合格するための戦略を解説しました。

  • まずは「外観・香り・味わい」の3つを重点的に学習
  • 比較テイスティングで産地ごとの違いを体感
  • 試験形式の問題演習を繰り返し、精度を向上させる

テイスティング試験では、実際にワインを試飲しながら経験を積むことが最も重要です。

独学で対策することも可能ですが、短期間で効率よく学びたい場合は、ワインスクールやテイスティング講座の活用も選択肢に入れると良いでしょう。

しっかりと対策をして、二次試験も合格を勝ち取りましょう!!

目次