ソムリエやワインエキスパートは、ワインの知識やテイスティング技術を証明する人気資格です。近年は、プロだけでなくワイン愛好家や趣味で学びたい方にも注目されています。
しかし、受験料・認定料・スクール代・教材費など、資格取得にはさまざまな費用がかかります。 事前に把握しておかないと、予想以上の出費に驚くことも。
そこで本記事では、5,000名以上の合格者を輩出したソムリエ佐々木が、「ワインエキスパートの費用」について分かりやすく解説します。
- ワインエキスパート試験を今年受験される方
- ワインエキスパートを受験したいが費用面が気になる方
- 独学で勉強するか、ワインスクールに通うか迷っている方
- スクールは高いとよく聞くが、実際どの程度の費用がかかるか気になる方

この記事の監修ソムリエ
佐々木 健太
ホームワインアカデミープロデューサー
年間受講者数日本一を誇るワインスクール講師。21歳でソムリエ資格を取得。南フランスにある一つ星レストラン「Keisuke Matsushima」にて研鑽を積み、帰国後は南青山「L’AS」を経て、株式会社WINE TRAILを創業。第9回全日本最優秀ソムリエコンクールファイナリスト。現在はワイン初心者でもワインを楽しめるよう小瓶ワインのサブスク「Homewine(ホームワイン)」を初め、会員3,000人を誇る。
ワインエキスパート受験にかかる3つの費用

ソムリエとワインエキスパートの資格取得には、受験料・認定料・試験対策費用の3つの費用がかかります。必須費用はどちらの資格でも同額の費用がかかりますが、試験対策費用に差が出ることがあります。
ソムリエ試験には実技試験(三次試験) があるため、パニエやソムリエナイフの準備、スクールでの対策費用などさらに追加費用がかかる場合があります。
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費用の種類 | 金額 | 金額の変動原因 |
受験料 | 23,700~37,800円 | ・会員/一般(非会員)の区分 ・受験回数(1回/2回) ・免除対象者の区分 |
認定料 | 20,950円(固定) | なし(一律) |
試験対策費用 | ・教材費:5,000~10,000円 ・テイスティング用ワイン代:6~12万円 ・スクール費用:約15万円 | ・独学かスクール通学か ・購入する教材の数 ・練習用ワインの数量 |
受験料(必須)
受験料とは、試験を受けるために必須となる費用で、以下のものが含まれます。
- 試験費用(一次試験・二次試験・三次試験*ソムリエのみ)
- 公式テキスト(ソムリエ教本 約900ページ)
受験料は一律で決まっている訳でなく、日本ソムリエ協会会員と非会員、さらには希望する一次試験の受験回数によっても異なります。
- 1回受験:基本の受験料
- 2回受験:+4,900円で一次試験の再受験が可能
2回受験を選ぶと、万が一1回目が不合格でも再挑戦できます。精神的な余裕が生まれ、試験の雰囲気や問題の傾向を掴むことができるというメリットがあります。
費用はかかりますが、初めて受験する方にとっては価値のある選択肢でしょう。
詳しい受験料については、こちらで解説いたします。
認定料(必須)
認定料とは試験に合格した後、資格認定を行うために必ずかかる費用です。
認定証と認定バッジの発行費用が含まれ、受験区分や会員区分にかかわらず一律20,950円がかかります。
こちら費用を支払うことで、正式にワインエキスパートとしての資格が与えられたことになります。
- 合格通知を受け取る
- 認定料を支払う
- 認定証および認定バッジを受領する
試験対策費用
資格取得には試験対策費用が欠かせません。主に以下の費用が発生します。
- 市販のテキスト・問題集:5,000〜10,000円
- テイスティング用ワイン代:6万〜12万円(購入 or ワインバーでの練習)
- ワインスクール・講座費用:一次・二次試験対策込みで約15万円
特にワインスクールは高額なため、スクールごとの比較が重要です。
国内主要スクールの比較については、こちら(スクールの費用)で詳しく解説しています。
受験回数や会員資格の有無で変わるワインエキスパート受験料

ソムリエおよびワインエキスパート試験に必ずかかる費用が受験料と認定料の2つです。
認定料は一律ですが、受験料は、一次試験の受験回数(1回 or 2回) と 日本ソムリエ協会の会員・非会員 によって異なります。自身の受験状況に合わせて金額を確認しましょう。
2025年の受験料は以下の通りです。
【一次試験から受験される方】
区分 | 受験回数 | 受験料 |
一般 (非会員) | 1回 | 32,900円 |
2回 | 37,800円 | |
会員 | 1回 | 23,700円 |
2回 | 28,600円 | |
認定料*合格後 | 20,950円 |
受験料には日本ソムリエ教会が出版している公式教材「日本ソムリエ協会教本」の購入代金が含まれています。
ただし、二次・三次試験からの受験者(免除対象者)には教本は付属しないため、必要な場合は別途購入が必要です。
また、二次・三次試験のみの受験者に関しては、一次試験の費用や公式教材の費用が含まれないため受験料が安く設定されています。
【二次試験から受験される方】
一般価格 | 会員価格 |
14,210円 | 7,300円 |
【三次試験から受験される方(ソムリエのみ)】
一般価格 | 会員価格 |
7,100円 | 3,650円 |
受験と同時に日本ソムリエ協会へ入会する場合、入会金が割引され受験料も会員価格でお申込みが可能となる特典もあります。
詳しくは一般社団法人日本ソムリエ協会の公式サイトをご覧ください。

合格後には認定料20,950円が発生します。
ソムリエ・ワインエキスパート資格の必須費用(受験料+認定料)は約5万〜6万円と見込んでおきましょう。
独学かワインスクールかで変わる試験対策費用の違い

ワインエキスパート試験の対策には、独学とワインスクールの2つの方法 があります。
費用を抑えながら自分のペースで学びたい方にとって、独学は魅力的な選択肢ですが、試験範囲の広さやテイスティング対策の難しさを考慮する必要があります。
独学での試験対策費用
独学でワインエキスパート試験に合格するための一次試験対策と二次試験対策では、必要になる費用が異なります。
- 教材費:5,000〜10,000円(教本・問題集・過去問など)
- テイスティング用ワイン代:6〜12万円(20〜40本購入 or ワインバー活用)
特に二次試験では、ワインの品種や産地を識別する力が求められるため、さまざまなワインを比較試飲することが不可欠ですが、その分テイスティング用のワイン費用が膨らんでしまうことがあります。

コストを抑えるために、ワインバーを利用したり小瓶セットを活用する方法もありますが、それでも6万円前後はかかるでしょう。
独学のメリット・デメリット
- 自分のペースで学べる
- ワインスクールに比べ費用を抑えられる
- モチベーション維持が難しい
- 正しいテイスティング技術の習得が困難
- 試験範囲が広く、効率的な学習がしにくい
特に二次試験は、適切なテイスティング技術の習得と、ワインの比較試飲が重要ですが、独学ではこれらの環境を整えるのが難しいのが現状です。

独学でも合格は可能ですが、これまで5,000人以上の合格者を指導してきた経験から二次試験対策はワインスクールを活用した方が圧倒的に効率的 です。
独学の費用シミュレーション
費用項目 | 金額 | 備考 |
一次試験対策費用 | 5,000〜10,000円 | 教材の種類や数で変動 |
二次試験対策費用 | 60,000〜120,000円 | テイスティング用ワイン代が中心 |
合計 | 65,000〜130,000円 | 必要最低限で約7万円程度から可能 |
独学で学ぶ場合、一次試験対策は教材をいくつか揃えるだけで学習できるため比較的費用を抑えて試験対策を行うことができます。
現在の参考書ではイラストや図を活用したわかりやすい教材が多く出版されています。試験範囲が広いため、公式教本だけでなく、要点がまとまった参考書も一緒に購入することをおすすめします。
ホームワインスタッフがおすすめする独学向け参考書
- 一次試験:『受験のプロに教わるソムリエ試験対策講座』(杉山明日香 著)
- 二次試験:『WINE ブラインドテイスティングの教科書』(鈴木明人 著)
一方で、二次試験対策はテイスティングワインの料金が発生するため出費負担が大きくなってしまう特徴があります。
また、二次試験対策はゼロからワインを勉強する方にとっては非常に理解が難しいことが多いため、二次試験対策だけでもワインスクールやオンラインスクールに通う方も多いのが現状です。
それでも費用負担に懸念が残る方は有名ソムリエが解説しているYoutubeなどで二次試験対策動画を視聴しながら学習することをおすすめします。
ワインスクールでの試験対策費用
ワインスクールで学ぶメリットは、体系的なカリキュラムとプロの指導を受けられることですが、費用面が大きな課題となります。
- 一次試験対策:約6〜9万円
- 二次試験対策:約10万円
- 総費用(受験料含む):最大約20万円前後
スクールを選ぶ際は、費用が高額である点を考慮し、提供されるサービスを十分に比較・検討することが重要です。
主要ワインスクールの詳細は次の章で詳しく解説していきます。
主要ワインスクールの試験対策費用の比較
ワインエキスパート資格取得には、試験対策費用の中でも特にスクール代が大きな割合を占めます。
主要な国内ワインスクール3校の費用とプランを比較し、どのようなサービスや特徴があるのかを検討することが重要です。

私が務めるホームワインアカデミーを含め、スクール代は決して安くありません。
費用だけに注目するのではなく、講義形式や対策内容を慎重に比較して選ぶようにしましょう。
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スクール名 | 費用の目安 | 主要コース | 学習形式 | 特徴 |
ホームワイン アカデミー | 66,000〜 168,000円 | ・独学プラン:18,000円 ・一次試験(筆記)対策講座: 66,000円 ・二次試験(テイスティング)対策講座:108,000円 ・ソムリエ/ワインエキスパート対策講座(筆記+テイスティング):168,000円 | オンライン | ・年間受講者数日本一の佐々木健太が全面指導 ・オールカラーテキスト ・問題集アプリ付き ・テイスティング用ワインセットが付属 ・費用対効果◎ |
ヴィノテラス | 50,000〜 89,090円 | ・一次試験集中コース:50,000円 ・二次試験対策講座:98,000円 | オンライン | ・小瓶セットで多種類を練習可能 ・一次試験対策に問題集アプリが含まれる ・豊富なプランの数々 |
アカデミー・ デュ・ヴァン | 52,800〜 146,300円 | ・総合コース(一次・二次対応):146,300円 | 対面授業 +オンライン | ・実践的指導と対面授業 ・東京・大阪に拠点あり ・スクールとして長い歴史と実績 |
ホームワインアカデミー

ホームワインアカデミーは、年間受講者数日本一の佐々木健太氏が指導するオンラインワインスクールです。
オールカラーのテキストや小瓶で届く108種のワイン、5,000問搭載の問題集アプリを備えたコンプリートプラン(168,000円)が特徴です。学習状況に応じたプラン選択やカスタマイズも可能です。
【主なプラン】
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コース | 費用 | 内容 | 特徴 |
一次試験(筆記) 対策講座 | 66,000円 | 一次試験対策講義 オリジナルテキスト 問題集アプリ | オールカラーのテキスト& 解説動画で効率的に学べる |
二次試験(テイスティング) 対策講座 | 108,000円 | 二次試験対策講座 オリジナルテキスト 108種の小瓶ワイン | 佐々木メソッド+108種のワイン小瓶で実践的に学べる |
ソムリエ/ワインエキスパート 対策講座 (筆記+テイスティング) | 168,000円 | 一次試験対策講義 二次試験対策講座 オリジナルテキスト 108種の小瓶ワイン 問題集アプリ ワイングラス6脚セット | ソムリエ佐々木が試験対策時に欲しかった全てを詰め込んだプラン 確実に合格したい方向け |
その他各種プランの金額
講座名 | 価格(税込) |
独学プラン | ¥18,000 |

各アカデミーごとに特徴がありますが、私が務めるホームワインアカデミーでは、金額以上の価値ある学びを提供しています。
高額に見えるかもしれませんが、充実したサービスを通じて、その付加価値を実感していただけるはずです!
\ 今だけ特別入会特典あり /
ヴィノテラス
オンライン講義とテイスティングセットを活用した学習サービスを提供。
特に二次試験対策が充実し、リキュール・ハードリカーセットが人気です。
【主なプラン】
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コース | 費用 | 内容 | 特徴 |
一次試験 集中コース | 約50,000円 | オンライン講義 問題集アプリ | 独学が苦手な方にも対応 |
二次試験対策講座 | 約98,000円 | 二次試験特化講義 テイスティング用小瓶セット | 幅広いワインと リキュールで実践学習 |
リキュールセット(試験対応用) | 約22,000円 | 二次試験対策用のリキュール ・ハードリカーセット | 小瓶セットでさまざまな種類を体験可能 |
その他各種プランの金額
講座名 | 価格(税込) |
ソムリエ 三次試験 サービス実技 対策講座(2024) | ¥5,500 |
ソムリエ・ワインエキスパートソムリエ 三次対策講座[ 論述 ](2024) | ¥5,500 |
ソムリエ・ ワインエキスパート二次試験対策 リキュール ・ハードリカーセット 佐々木健太監修(2024) | ¥22,000 |
ソムリエ・ ワインエキスパート二次試験対策 小瓶 セット 佐々木健太監修(2024) | ¥26,400 |
ソムリエ・ワインエキスパート二次試験対策講座 | ¥98,000 |
ソムリエ・ワインエキスパート二次試験第作講座 本番想定講座 | ¥38,500 |
ソムリエ・ワインエキスパート二次試験第作講座 Step1基礎マスター講座のみ | ¥23,300 |
ソムリエ・ワインエキスパート二次試験第作講座 Step2 比較テイスティング講座 | ¥46,200 |
ソムリエ・ワインエキスパート二次試験対策 リキュール・ハードリカーセット | ¥22,000 |
ソムリエ・ワインエキスパート二次試験対策フルボトルセット | ¥15,000 |
一次試験+二次試験(スタートアップ講座)+テキスト+Vinolet(問題集システム)コンプリートコース | ¥98,000 |
試験用テキスト | ¥4,800 |
ヴィノレット 4000問の試験問題アプリ | ¥4,500 |
アカデミー・デュ・ヴァン
対面授業を中心とする国内最大級のワインスクールです。
実践的な指導が特徴で、対面での学びを重視したカリキュラムを提供しています。
【主なプラン】
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コース | 費用 | 内容 | 特徴 |
一次試験 対策コース | 約88,000円 | 一次試験の基礎知識を 徹底的に学ぶコース | 直接講師から学び、 理解を深められる |
二次試験対策 テイスティングコース | 約110,000円 | テイスティング練習に 特化した講座 | 実際の試験環境に 慣れながら学習できる |
総合コース (一次・二次対応) | 約146,000円 | 一次試験と二次試験 の両方を網羅 | 体系的な学びで資格取得後も 実用的なスキルを習得 |
その他各種プランの金額
講座名 | 価格(税込) |
J.S.A.ソムリエ/ワインエキスパート基礎速習講座 | ¥52,800 |
一次・二次試験 J.S.A.ソムリエ/J.S.A.ワインエキスパート 受験対策講座 | ¥146,300 |
J.S.A.ソムリエ/ワインエキスパート第一次試験【直前模擬テスト】120問×4パターン | ¥5,500 |
夏季テイスティング集中講座 | ¥105,000 |
受験対策ワイン小瓶セット 本番直前 実践チャレンジ編 | ¥12,980 |
二次試験対策 その他のお酒小瓶セット 蒸留酒&リキュール【ハードリカー】40種セット | ¥17,600 |
二次試験対策 その他のお酒小瓶セット 酒精強化ワイン等12種セット | ¥6,600 |
J.S.A.ソムリエ受験 サービス実技指導 | ¥36,300 |
二次試験対策講座(J.S.A.ソムリエ論述試験対策含む) | ¥39,600 |
受験対策ハーフボトルセット 白ワイン基本品種 | ¥14,850 |
受験対策ハーフボトルセット 赤ワイン基本品種 | ¥18,700 |
▼2021年度にワインエキスパートに合格したhomewineスタッフの田中

一次対策は市販のテキストと問題集で約1万円、二次対策はワイン購入や練習代で7万〜8万円かかりました。
今思うと、ワインスクールの二次対策に投資した方が効率的だったかも…。
まとめ
ワインエキスパート資格の取得費用は、学習方法やスクールの利用によって異なります。
【費用の目安】
- 独学のみの場合:7万円~13万円程度
- スクール利用の場合:トータルで約20万円前後
- 独学+スクール併用:約10万〜15万円
【学習方法の選択肢】
- スクール利用:体系的に学べるが費用は高め
- 独学:費用は抑えられるが、自己管理能力が必要
- ハイブリッド学習:独学+スクールの組み合わせで効率的に学習
【試験の難易度】
- 合格率30〜40%
- 準備期間は半年〜1年が目安
ワインエキスパート資格取得にかかる費用は、独学なら約7万円から、スクール利用の場合は20万円前後が一般的です。
しかし、資格取得後は専門的な知識と技術が証明され、キャリアアップや趣味の充実に大いに役立ちます。
費用対効果を考慮すると、高額な費用は十分に見合うものであると言えるでしょう。独学かワインスクールかで迷っている方にとって、この記事が参考になれば幸いです。
