「ワインが好きで、もっとその魅力を伝えたいからソムリエ資格を取りたい」
「ソムリエ試験に挑戦したいけれど、難易度や勉強方法が分からない」
このような疑問を抱えていませんか？
本記事では、ソムリエ試験に合格するために必要な知識や対策を詳しく解説します。
試験の概要や内容、合格のために押さえておくべきポイントから、実践的な学習戦略、さらには効率的に勉強するためのスクール活用方法まで網羅しています。
「効率的な勉強方法を知りたい」「短期間で合格したい」という方は、ぜひこの記事を最後までご覧ください。
- ソムリエ試験の最新情報や合格率を知りたい方
- 試験内容や合格戦略を詳しく知りたい方
- 効率的な勉強法や試験対策を探している方
この記事の監修ソムリエ
佐々木 健太
ホームワインアカデミープロデューサー
年間受講者数日本一を誇るワインスクール講師。21歳でソムリエ資格を取得。南フランスにある一つ星レストラン「Keisuke Matsushima」にて研鑽を積み、帰国後は南青山「L’AS」を経て、株式会社WINE TRAILを創業。第9回全日本最優秀ソムリエコンクールファイナリスト。現在はワイン初心者でもワインを楽しめるよう小瓶ワインのサブスク「Homewine（ホームワイン）」を初め、会員3,000人を誇る。
ソムリエの役割と魅力とは？
ソムリエとは、ワインの専門知識を持ち、レストランやワインバーでワインの選定やペアリングを提案する専門職です。
飲食店だけでなく、ワインショップ、酒類の輸入・販売、ホテル、ワインスクールの講師など幅広い分野でも活躍できます。
ソムリエの起源はフランスにあり、もともとは貴族の専属給仕としてワインを管理する役職でした。現在では、単にワインに詳しいだけでなく、料理との相性を考え、顧客に最適な提案をする役割が求められています。
資格としてのソムリエを取得することで、専門知識とスキルを証明でき、飲食業界や関連業界での信頼性が向上します。
ソムリエ資格を取得するメリット
ワインに関する深い知識を証明できるソムリエ資格は、飲食業界や関連業界でのキャリアアップに大いに役立ちます。
では、ソムリエ資格を取得することで得られる具体的なメリットを紹介します。
- 飲食業界でのキャリアアップ
- レストランやワインバーはもちろん、ワインインポーターや酒類販売、ホテル業界など、さまざまな分野で役立ちます。
- ソムリエ・エクセレンスへの挑戦
- 資格取得後は、より高度な知識とスキルが求められるソムリエ・エクセレンスに挑戦できます。上位資格を持つことでより専門的な業務や収入アップのチャンスが広がります。
- コンサルティングや講師の仕事につながる
- 資格を活かして独立する道もあります。また、企業向けのワイン研修やイベントの企画など幅広い活動が可能です。
- ワインに関する深い知識を得られる
- 日常のワイン選びや料理とのペアリングの幅が広がります。また、飲食店ではワインの売上向上やスタッフ教育にも貢献でき、より専門的なサービスの提供が可能になります。
ソムリエ資格を取得することで、ワイン業界でのキャリアアップはもちろん、知識を活かした新たな可能性が広がり、飲食業界で働く方にとって価値のある資格です。
ソムリエに求められる資質とスキル
ソムリエには、単にワインの知識があるだけでなく、味覚・嗅覚の鋭敏さや、料理やチーズとの組み合わせを考える力が求められます。
また、お客様の好みに寄り添い、心地よい時間を提供するためのコミュニケーション力も重要です。
さらに、ワインの背景にある文化や歴史を理解し、それをわかりやすくお客様へ伝える表現力も求められます。
日本で取得できる2種類のソムリエ資格
本記事では、日本ソムリエ協会（J.S.A.）が認定するソムリエ資格について解説します。J.S.A.は国内最大のソムリエ資格認定団体で、業界内の認知度も高いため、多くの飲食店や企業で評価されています。
なお、全日本ソムリエ連盟（ANSA）も1997年からソムリエ資格を認定していますが、会員数はJ.S.A.の約10分の1程度とされています。
本記事では、日本ソムリエ協会（J.S.A.）の資格取得に焦点を当てて解説していきます。
ソムリエ試験の概要・合格率・難易度
ソムリエ試験は、ワインに関する専門知識だけでなく、テイスティング能力や実践的なサービススキルが問われる試験です。
試験は以下の3段階に分かれています。
- 一次試験（筆記試験）
- 二次試験（テイスティング試験）
- 三次試験（論述試験・サービス実技試験）
では、試験に関する詳しい情報を見ていきましょう。
ソムリエ試験の受験資格
ソムリエ試験を受験するには、飲食業界での実務経験が必要です。単にワインの知識があるだけではなく、実際に業務に携わった経験を持つことが求められます。
具体的な受験資格は、以下の条件を満たしている必要があります。
日本ソムリエ協会（J.S.A.）の定める「ソムリエ」の受験資格には、一定の職務経験が必要です。ワインの提供や管理に関わる業務を経験していることが前提となります。
- 酒類・飲料を提供する飲食サービス
- 酒類・飲料の管理・仕入れ、輸出入、流通・卸、販売、製造
- 酒類・飲料に携わる教育機関講師 *
- 酒類・飲料に関するコンサルタント *
*過去の経歴も含め酒類・飲料に携わる教育機関講師またはコンサルティング業務従事者が受験される場合は、書類提出が必要。詳細は公式HPを参照。
上記いずれかの業務を、以下の基準で経験している必要があります。
- 就労時間：月90時間以上
- 実務経験：通算3年以上（基準日2025年8月31日時点で継続して従事していること）
この条件を満たしていない場合は、ソムリエ試験を受験することはできません。受験資格を満たしているか不安な場合は、事前に日本ソムリエ協会へ確認することをおすすめします。
毎年、3月上旬頃出願可能になります。
2025年度の出願開始日時 ➡︎ 3月3日（月）10時〜
ワインエキスパートとの違い
ワインエキスパート資格は、ワイン愛好家向けの資格であり、飲食業界での実務経験は不要です。
- 20歳以上であれば誰でも受験可能
- ソムリエ試験と同じ筆記試験・テイスティング試験が課される
- 実技試験はなく、ワインの知識を深めることが目的
- 飲食業界だけでなく、ワインを趣味として学びたい人にも人気
一方で、ソムリエ試験は実務経験が必須であり、さらにサービス技術も評価されるため、より実践的な内容が求められます。
ワイン業界で働くことを前提としている点が、ワインエキスパートとの大きな違いです。
ソムリエ試験の試験内容
ソムリエ試験は、筆記試験・テイスティング試験・論述試験・サービス実技試験の4つで構成されています。
知識だけでなく、論理的思考とサービス技術も重要となる、総合的な試験です。
一次試験（筆記試験）
- 試験形式：選択式（CBT方式）
- 内容：ワインの歴史、産地、ブドウ品種、醸造方法、ワイン法、食品とのペアリングなど
一次試験は試験範囲が広く、暗記だけでなく理解を深めた学習が求められます。特に、ワイン法や各国のワイン事情など細かい知識も問われるため、しっかりとした対策が必要です。
二次試験（筆記試験）
- 試験形式：ブラインドテイスティング
- 内容：ワインの品種、産地、醸造方法、ヴィンテージの識別
ワインの味わいや香りから、正確に品種や特徴を判断する試験です。経験やトレーニングが合否を左右するため、日常的にワインを試飲し特徴を言語化する練習が重要です。
三次試験（論述試験）※二次試験と同日
- 試験形式：記述式
- 内容：ワイン業界に関連したテーマについて、論理的かつ実務的な視点で記述
テーマに沿った文章を組み立てる能力が求められます。実際のワイン業務に基づいた経験や事例を織り交ぜた、論理的かつ一貫性のある構成力、伝える能力が必要です。
三次試験（サービス実技試験）
- 試験形式：実技試験
- 内容：ワインの抜栓、デカンタージュ、グラスサービス、接客スキルの評価
レストランやワインバーで実際にワインを提供する場面を想定し、スムーズなサービスができるかが試されます。
ソムリエ試験の日程と会場
試験の日程と会場は以下です。事前に確認しましょう。
- 一次試験：7月～8月に実施
- 二次試験：一次試験合格者のみ、10月に受験
- 三次試験：二次試験合格者のみ、11月に受験
- 一次試験：全国の指定会場から選択可能
- 二次・三次試験：日本ソムリエ協会が指定する全国のホテルなどで実施
ソムリエ資格の取得にかかる費用
ソムリエ資格を取得するには、受験料と合格後の認定料が必要です。費用はJ.S.A.会員か非会員か、また一次試験の受験回数によって異なります。
【一次試験から受験される方】
| 区分 | 受験回数 | 受験料 |
| 一般 （非会員） | 1回 | 32,900円 |
| 2回 | 37,800円 | |
| 会員 | 1回 | 23,700円 |
| 2回 | 28,600円 | |
| 認定料*合格後 | 20,950円 | |
※受験料には一次試験〜三次試験までの受験料が含まれています。一次試験を既に合格されている方は受験費用が異なります。
※受験費用にはソムリエ教本（Book版および電子版）が含まれています。
二次・三次試験からの受験者（免除対象者）向け
二次・三次試験からの受験者（免除対象者）には教本は付属しないため、必要な場合は別途購入が必要です。
また、二次・三次試験のみの受験者に関しては、一次試験の費用や公式教材の費用が含まれないため受験料が安く設定されています。
【二次試験から受験される方】
| 一般価格 | 会員価格 |
| 14,210円 | 7,300円 |
【三次試験から受験される方】
| 一般価格 | 会員価格 |
| 7,100円 | 3,650円 |
受験と同時に日本ソムリエ協会へ入会する場合、入会金が割引され受験料も会員価格でお申込みが可能となる特典もあります。
詳しくは一般社団法人日本ソムリエ協会の公式サイトをご覧ください。
試験の合格率と難易度
| 項目 | 一次試験 | 二次試験 | 三次試験 |
| 合格率 | 30～40% | 70～80% | 90%以上 |
| 難易度 | ★★★★★ | ★★★☆☆ | ★★★☆☆ |
| 内容 | ワインの歴史・産地・醸造・法律などの選択式試験 | ブラインドテイスティングでワインの品種や特徴を評価試験 | レストランにおけるワインボトルの抜栓サービスと論述試験 |
ソムリエ試験の合格率は30～40%程度とされており、試験範囲の広さや実技試験の難しさから、高い難易度を誇ります。一次試験から三次試験まで同一年でのストレート合格率は10％台と言われています。
特に一次試験の筆記試験は、世界各国のワイン知識や醸造、法律など膨大な知識が求められるため、多くの受験者にとって最大の難関となることが多いです。
＜各試験ごとの難易度＞
【一次試験の合格率と難易度】
| 年度 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | 2024年 |
| 合格率 | 42.9% | 42.0% | 37.3% | 22.8% | 25.8% |
- 合格率：22.8%～42.9%
- 幅広い知識が必要で、計画的な学習が不可欠
【二次試験の合格率と難易度】
| 年度 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | 2024年 |
| 合格率 | 85.3% | 85.1% | 77.9% | 75.6% | 92.0% |
- 合格率：75.6%～92.0%
- 適切なテイスティング対策を行えば、十分に合格可能
【三次試験の合格率と難易度】
| 年度 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | 2024年 |
| 合格率 | 83.7% | 93.5% | 81.6% | 58.2% | 75.1% |
- 合格率：58.2%～93.5%
- 論述試験の実践的な内容により、近年難易度が上昇
ソムリエ試験に合格するための実践戦略
ソムリエ試験に最短で合格するためには、試験ごとに適した対策を立て効率的に学習を進めることが重要です。
一次試験は膨大な知識量が求められ、二次試験ではテイスティングの分析力、三次試験では論述力と実技力が試されます。
ここでは、それぞれの試験を最短で突破するための具体的な戦略を解説します。
一次試験の突破方法（筆記試験対策）
一次試験は、ソムリエ試験の最初の関門であり最も多くの受験者が苦しむ試験です。
ワインの歴史、産地、ブドウ品種、醸造方法、法律など、幅広い知識が求められます。膨大な情報量を効率よく学ぶために、計画的な学習が必須です。
- 学習計画の立案する
- 3月から学習開始（推奨）
- 平日1時間、週末2時間＋隙間時間を活用
- 効率的に勉強する
- 参考書は1冊に絞る（J.S.A公式教本＋問題集）
- 語呂合わせやマインドマップを活用し、暗記効率UP
- 頻出分野を重点的に対策する
- フランス・イタリア・スペインのワイン法などを重点的に学習
- 過去問を3回以上解き、傾向を把握
二次試験の突破方法（テイスティング試験対策）
二次試験はテイスティングが中心で、ワインの外観・香り・味わいを分析し、特徴をマークシート*で選択します。
体系的な分析方法を身につけ、的確に回答できるよう訓練しましょう。
*引用：【2023年】テイスティングの項目別点数配分について
- テイスティングの「型」を身につける
- 「視覚→嗅覚→味覚」の順で分析
- 主要品種の特徴を覚え、定型化した答えを作る
- 毎日のテイスティング習慣をつける
- 週3回以上、異なるワインを比較試飲
- 品種ごとの特徴をデータとして残す
- 対策講座や動画を活用する
- J.S.A.認定講師の講座受講（短期間でも有効）
- YouTubeの無料講座で基本を固める
二次試験のテイスティング試験も難関のひとつですが、一次試験合格後から集中して対策をしても間に合います。
三次試験の突破方法（論述試験）
三次試験では200文字以内の論述が3問出題され、制限時間は20分です。
試験は二次試験のテイスティングと同日に行われ、採点結果は三次試験の合否に影響します。特に二次試験で出題されたワインのペアリングやサービス提案が頻出します。
- 過去問を分析し、回答テンプレートを作成
- ソムリエ協会HPで公開されている過去問の採点ポイントを活用
- 頻出テーマを把握し、解答の型を作成
- ワインのタイプごとにペアリングの定型文を準備
- フルボディの赤ワインなど、よく出題されるワインに対するペアリングを整理
- ペアリングの理由や相性を簡潔に説明できるようにする
- ワインの特徴・ペアリング・サービスの流れを箇条書きで整理
- ワインのテイスティング時に特徴を簡潔にメモする
- 解答時にスムーズに文章化できるようにする
- 採点基準を確認し、加点ポイントを把握
- 加点されるキーワードを3～4個ピックアップ
- 解答に自然に組み込む練習をする
- 毎日7分以内で1問書く練習を継続
- 時間内に書き終えることを意識
- 記述量は各問題140文字以上を目指す
- 読みやすい文章を意識する
- 誤字脱字をなくし、簡潔でわかりやすい表現にする
- 助長な表現を避け、要点を明確にする
試験本番で時間内にスムーズに書けるように繰り返し練習を行いましょう。
三次試験の突破方法（サービス実技対策）
三次試験では、試験官の前でワインを抜栓し、7分以内に提供する技術が求められます。
接客マナーや所作の美しさも評価対象となるため、実践練習が欠かせません。
- 試験の流れを完全に把握
- 「ワインリスト提示→抜栓→サービス」 の流れを体で覚える
- 試験官の指示に従い、冷静に対応
- 無意識でできるまで繰り返し練習
- 1日5回、抜栓練習*を行う
- 動画を撮影し、自分の動作を客観的に確認
- YouTubeや対策講座を活用
- 無料動画で手順を確認し、実際に練習
- 可能であれば、ソムリエ有資格者に指導を仰ぐ
*抜栓練習とは、コルクの抜栓動作のみ省略し、ボトルやグラスの準備、デキャンタージュなどの一連の動作を通して練習することです。
ワインの抜栓サービスの流れを理解し実践練習を繰り返し行うことで、自信をもって試験に臨めます。
短期間で合格したい場合はスクールも検討！
ソムリエ試験に合格するためには、効果的な学習計画と継続的な努力が必要不可欠です。
しかし、試験範囲が広大で、特に一次試験の合格率は低いため、独学で進めるのは非常に難しいこともあります。特に、一次試験を突破するには半年前後の学習期間が求められ、スケジュール管理や効率的な学習が課題となります。
そのため、短期間で効率的に合格を目指したい場合は、ワインスクールの活用を検討するのも一つの方法です。
スクールでは、専門的な指導を受けられるため、試験に特化したカリキュラムやスケジュール管理が提供され、独学よりも短期間で合格できる可能性が高まります。
ワインスクールの特徴とメリット
ワインスクールにはさまざまなタイプがあり、目的に応じたスクールを選ぶことで試験対策を効率よく進めることができます。
- 専門的なカリキュラムと指導
- 特徴：試験に特化したカリキュラムで効率的に学べる
- メリット：短期間で必要な知識や技術を習得できる
- スケジュール管理と進捗チェック
- 特徴：学習計画が整えられ、進捗状況を確認できる
- メリット: 計画的に学習を進め、モチベーションを維持できる
- 実践的なテイスティングとサポート
- 特徴：実技指導や質問対応が充実している
- メリット：試験本番に向けた自信を持って臨める
累計5,000名の合格者を輩出した佐々木メソッドを凝縮したホームワインアカデミーでは、
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など初心者でも無理なく学べる環境を整えています。効率よく資格取得を目指すなら、ぜひご活用ください！
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まとめ
ソムリエ試験は難易度の高い資格ですが、合格することでキャリアアップやワインの知識をより深める大きなメリットがあります。
そのためには受験資格の確認から、一次・二次・三次試験それぞれの対策まで、3月の出願から11月の三次試験まで長期間におよぶ計画的な学習が重要です。
試験への挑戦は大きな一歩ですが、その努力は必ず成長に繋がります。着実に一歩一歩進んでいきましょう。あなたの合格を心より応援しています！
